大変貴重な鳥の撮影に成功しました。“イイヴィ”という真っ赤な色をした鳥です。大きさはスズメを一回り大きくした程度ですが、ミツスイといって花の蜜を吸うためにくちばしが長く湾曲しています。ハワイ固有の鳥で、昔は王様のマントにイイヴィの羽が使われていました。今では大変珍しい鳥になっています。
そのことを知った私は、どうしてもその鳥を見てみたいと思っていたのですが、警戒心が強い鳥なのでなかなか見ることができませんでした。何日もかけてやっと見つけることができて、花の蜜を吸いに来るのをずっと待っていましたが、なかなか近くへは来てくれません。
そこでガイドさんがイイヴィの声を録音したものをスピーカーから流したところ、やっと近くへ飛んできてくれたのですが、それは自分の縄張りへの侵入者を威嚇するためでした。でもそれも本当に一瞬のことだったので、数枚しか撮影できませんでした。
その時に役立ったのがカメラのブレ防止機能でした。600mmのレンズを付けていたので三脚は使っていましたが、何時間も歩くために比較的軽量なものだったのです。それでもブレ防止機能のお陰できれいに撮ることができました。そして、天候が晴れから曇り、突然の雨というようにめまぐるしく変わりましたが、その度にISO感度の設定を変えながら撮っていました。デジタルカメラならではの便利さです。
その他、花の撮影では花の色に合わせて色調を調整。色温度を上げ下げして最適な色調をつくり出す工夫をしています。また、デジタルで撮るようになってからは、ストロボを使って自然光とのミックス光で撮影しています。特にマクロレンズで絞りを絞って撮ると、すごくシャープに写ります。
――今回の写真展は全てデジタルカメラで撮影された作品ですが、その狙いをお聞かせください。
使用カメラはソニーα100をメインに一部サイバーショットも使いました。ハワイのように青い海や透明感のある風景はデジタルカメラとのマッチングがすごくいいと思います。
――三好先生は写真展を開催される場合、額装に「流木」や「古民家の廃材」を使用するなど独特の展示方法を行なわれています。今回の展示方法はどのようなものですか?
今回はハワイらしくしたかったので、ハワイにしかない“コアウッド”という木製のフレームを、全てではありませんが使っています。コアウッドはハワイで神様が宿ると言われる聖なる木
“コア”を素材としており、現地の工房で特別注文して作ってもらいました。また、今回新しい試みとしてモニターに作品を映し出す展示も行ないます。
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