日本の秋といえば皆さんすぐに思い浮かぶのが紅葉だと思います。しかし、それ以上にきれいなのが澄みきった「光」です。夏に比べると斜めから射す光に変わってきていて、これが皆さんよくご存知の斜光線です。その光がとてもきれいですね。四季それぞれに光はありますが、秋の光は透明感のある光。その光の中で風景をはじめ、様々な被写体が引き立つ季節です。紅葉はもちろんですが、光の美しさを頭の中に描いて撮影に臨むといいと思います。
――古くからある神社仏閣などの建造物と紅葉の組合せは日本の秋を象徴する被写体ですが、撮影におけるポイントは?
紅葉時期のお寺はどこに行ってもきれいですが、最近は京都に行くことが多いですね。建物全体を包み込むような紅葉も雄大で壮観ですが、山門越しやお部屋から見る紅葉もいいものです。紅葉を窓や柱などで区切ることで、まるで屏風絵のようにも表現することができます。。
――紅葉をはじめ秋の撮影における注意点はありますか?
紅葉の場合は広い範囲すべてがきれいな状態になっている訳ではありませんので、望遠レンズを使っていいところだけを切り取ることが多いです。その時に大事になってくるのが「ボケ味」。こうしたことを考えながら作画することで、作品の完成度がより高まります。
また、きれいな光を表現するためにはバックは暗く落とした方がいいのか?など、光の向きを考えてカメラのポジションを決めていきます。そうすることで徐々に気持ちがのってきます。 |