種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2013.01.11【Vol.098】
以前シャッターの種類の話でも少し解説した、フォーカルプレーンシャッターの構造について見ていこうと思います。 光がカメラの中に侵入するのを防ぐ役割をするもの、そしてその開閉によって露光時間を制御するものがカメラのシャッターです。そのシャッターにもいくつか種類があるのですが、そのうちの一つにフォーカルプレーンシャッターがあります。現在殆どの一眼レフに採用されているシャッターがこのフォーカルプレーンシャッターになります。
歴史は100年以上の歴史があり、レンズシャッターよりだいぶ速い時期からシャッターとしてカメラに搭載されていました。金属、布、チタンなどの幕をシャッターとして、先幕と後幕の2枚の幕を横方向もしくは縦方向に一定時間走らせて、その間を露光時間としています。 そしてその2枚の幕の間にあけられた隙間(スリット幅)で露光時間が変化します。幕の動く早さは常に一定ですので、画面均一に光を与えることが出来ます。また、比較的容易に高速シャッターを出すことが出来るので、動体撮影などの分野で古くから採用されてきました。
機械式シャッター、電子シャッター、そしてその両方を併せ持つハイブリッドシャッターなどがあります。機械式の場合は電池も不要なのでいつでもシャッターが切れるというメリットがあったりします。 そして、フォーカルプレーンシャッターの欠点とされていたことに、ストロボの同調速度が挙げられます。今ではストロボとの電気的な連動などで、高速シャッターでもシンクロすることが出来ますが、30年ほど前までは平均1/60~1/125の間でのシャッター速度までしかストロボを同調することが出来ませんでした。カメラのスペックなどでもこのストロボ同調速度を結構気にしたりもしました。最高クラスのカメラだと1/250まで同調し、日中シンクロがより行いやすくなるなどのメリットも生まれたからです。言葉では構造が少しわかりにくいので、シャッターの模式図を見ていただければと思います。図は縦走りシャッターです。
フォーカルプレーンシャッターの構造