グーグル「Pixel 9 Pro シリーズ」デジタルカメラのサブ機としても使える仕上がり

三井公一
グーグル「Pixel 9 Pro シリーズ」デジタルカメラのサブ機としても使える仕上がり

さらに描写力がアップ!グーグル「Pixel 9 Pro シリーズ」登場

卓越したカメラ性能で評価が高いAndroidスマートフォンのグーグル「Pixel」シリーズ。その最新型が登場しました。超望遠から暗所撮影まで素晴らしい写りのスマートフォンですが、グーグルオリジナルのチップセット「Google Tensor G4」を搭載してAIに磨きをかけ、ユニークな編集機能も搭載されました。今回はそのフラッグシップ端末の「Pixel 9 Pro」と「Pixel 9 Pro XL」の2台に焦点を当ててご紹介いたします。

「Pixel 9 Pro シリーズ」の特徴

新登場の「Pixel 9」シリーズですが、ShaSha読者に向いているのはカメラ性能が高い「Pro」シリーズでしょう。今回から「Pixel 9 Pro」と「Pixel 9 Pro XL」の2種類が用意されています。16GBものRAMを積んでいるのがスゴいですね。

「Pixel 9 Pro XL」は前モデルの「Pixel 8 Pro」とほぼ同等のサイズ感(6.8インチディスプレイ)となっていますが、「Pixel 9 Pro」はひとまわり小型なモデルとなっています(6.3インチディスプレイ)。搭載している広角カメラ、超広角カメラ、望遠カメラの3つのカメラ性能は同じなので、大きなディスプレイとバッテリー容量を重視するか、軽量コンパクトさを重視するかでチョイスすればいいでしょう。

なお「Pro」ではない「Pixel 9」は搭載アウトカメラが広角カメラと超広角カメラの2つとなっています。

注目のアウトカメラ

「Pixel 9 Pro」と「Pixel 9 Pro XL」に搭載されている3つのアウトカメラは磐石の布陣です。超広角から超望遠まで、広い守備範囲でさまざまなシーンに対応できるのが頼もしいですね。

●50MP広角カメラ(F/1.68 35mm判換算24mm相当):メインカメラとして使いやすい画角で、あらゆる被写体を解像感高くリッチに写し出します。

●48MP望遠カメラ(F/2.8 35mm判換算110mm相当 光学5倍ズーム対応 ):光学で5倍、超解像ズームで30倍もの高倍率を誇ります。遠くのものもバッチリ撮影可能です。

●48MP超広角カメラ(F/1.7 35mm判換算12mm相当 マクロフォーカス対応):広大な景色や狭い室内も、広々とゆとりのワイド感でシーンを写し込めます。マクロにも対応していて被写体に肉薄できる性能を有しています。

 

 

東京湾のお台場からレインボーブリッジ越しに東京タワーを狙ってみました。これだけの撮影範囲を持っていて、高い描写力なのですから「Pixel 9 Pro」と「Pixel 9 Pro XL」はスゴいとしか言いようがありません。超望遠時の手ブレ補正機能の効きも優秀です。さらにAIによる「ズームエンハンス」という画質向上機能も「Googleフォト」上で可能です。

 

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「Pixel 9 Pro」と「Pixel 9 Pro XL」は撮影時に「プロ設定」というマニュアルライクな設定も可能です。通常はピクセルビング技術によって12MPの出力になりますが、「プロ設定」でセッティングすると50MPでのアウトプットも可能になります。もちろん「RAW + JPEG」記録もできますし、ホワイトバランスやシャッタースピードなどの調整も思いのままです。

これは「Pixel 9」にはない機能ですので、写真にこだわるShaSha読者ならやはり「Pro」シリーズをチョイスしたいものです。

AIパワーで写真を楽しくする「Pixel 9 Pro」シリーズ

そのほかにも「Google Tensor G4」とグーグルのAI技術によって、コンピュテーショナルフォトグラフィーを活用した撮影と編集も楽しめます。有名なのは「消しゴムマジック」ですが、前述した超望遠撮影時の画質向上ができる「ズームエンハンス」、合成して記念写真を仕上げられる「一緒に写る」、画像生成で構図の自由度を上げる「オートフレーム」、プロンプトを記述して写真のイメージを変える「イマジネーション」など、ならではの機能が満載です。

◆ズームエンハンス

超望遠撮影したカモのディテールをAIで向上させました。

「AI」と聞くと「写真がCGのようになってしまう」と思う人もいるかもしれませんが、それは使いようで「Photoshop」などのアプリで明るさや色合いを補正するような、自然な色合いやトーンの調整などにも活用可能なのです。

 

◆イマジネーション

”空をあざやかに”とプロンプトを入力して調整しました。

今後もいろいろと進化し続けると思うので、撮影も編集もどんどん楽になっていくかもしれませんね。

多くの撮影機能もアップデート

ほかにも定評ある撮影機能が強化されています。この端末があればずっと写真や動画を撮ってしまいそうなくらい充実していますよ。

 

◆パノラマ

撮影のインターフェースががらりと変わって、水平を取りやすくなり、簡単に美しいパノラミック撮影ができるようになりました。

 

◆天体撮影モード

今までは端末を三脚にしっかりと固定しないと現れなかった「天体撮影モード」ですが、手動でセットできるように進化しました。5秒のセルフタイマーもあり、夜景や星景撮影で活躍すること間違いなしですね。都内では明るすぎて撮影できませんでした(笑)

 

◆動画ブースト

色合いや明るさ、手ブレを効率的に補正し、撮影した動画をサーバを介して8K解像度にアップコンバートできます。公園にある池の様子も高精細かつあざやかに仕上げることができました。

 

◆タイムラプス

印象的なコマ撮りムービーを作れる「タイムラプス」では、設定で自動、5x、10x、30x、120xとスピードを選択可能です。台風接近に伴う雲の動きをダイナミックに表現できました。

「Pixel 9 Pro シリーズ」でブラブラ実写スナップ!

というわけで最新の「Pixel 9 Pro」と「Pixel 9 Pro XL」でブラブラとあちらこちらを撮り歩いてみました。使ってみて感じたのはオールマイティーに撮影できる点と、やはり望遠撮影の楽しさでしょうか。デジタルカメラと一緒に持ち歩いても十分サブ機として使える仕上がりだと思いましたよ。

ディスプレイも見やすく、撮影写真の確認や、GoogleマップやSNSなどもくっきりあざやかに見ることができ、とても重宝しました。

観光客で賑わう境内を撮りました。望遠カメラで遠近感を圧縮して印象的なカットになりましたが、精細感と色合い、コントラストが見事ですね。

「Pixel」と言えば「夜景番長」というイメージがありますが、渋谷駅前の再開発現場もご覧のとおり。超広角カメラでシャドウ部からハイライト部までシャープにキャプチャーできました。

実際に使用して感じたのが、望遠カメラでのスナップショットの楽しさですね。カメラ機能の立ち上がりも速く、オートフォーカスもクイックです。シャッターチャンスを逃さない端末に仕上がっています。炎天下で休憩する人力車スタッフをしっかりと捉えられました。

メタリックに輝く建物を撮りましたが、その写りに驚かされました。その質感と立体感がものすごいですね。露出も的確で、メリハリを感じられるカットになりました。

「Pixel」は伝統的に電源キーのダブルクリックでカメラが即座に立ち上がるので、スナップショット撮影に強い端末だと言えるでしょう。いつでもどこでも思いのままに撮れるのがこのシリーズのいいところだと感じています。

オブジェを望遠カメラで。発色、立体感、精細感ともに良好です。芝の細かい描写からオブジェの質感が好ましい写りになっていますね。

薄暮に盛り上がる阿波踊り。そんな低照度のシーンでもポートレートモードで踊り手をしっかりと捉えてくれました。雰囲気を残したホワイトバランスと適度なボケ感が情景をより一層引き立ててくれます。

夏の風物詩・盆踊りを「長時間露光」で。スローシャッターを活かした躍動感あふれるカットになりました。こんなシーンでも手ブレの心配無用です。

夜間にとあるマスコットを撮りましたが、その質感描写と色合いにビックリしました。クリアかつクリーンな写りはこの最新端末ならではのものでしょう。

もちろん自然の光景もお手のものです。雲の向こうから美しい光が差し込んでいますが、その神々しいシーンを見た目同様にキレイに捉えることができました。デジタルカメラ顔負けの描写ですね。

何気ない風景でもこの端末は記憶通りに写してくれます。緑の発色と葉のリアル感、サインの立体感まで日常の一瞬を、シャッターを押す楽しい時間に変えてくれます。

超広角カメラで夏の空を撮りました。太陽がフレームに入っていますが、イヤなフレアやゴーストの発生も気になりません。建物もシャープに写っています。望遠だけでなく超広角でも撮影が楽しくなる端末ですね。

マクロ撮影も得意です。設定で「マクロフォーカス」を自動にしておけば、端末任せで被写体から3cmまでの距離に肉薄できます。花弁の様子が手に取るように分かりますね。

「Pixel 9 Pro シリーズ」のまとめ

Google Pixelシリーズは、常にスマートフォンカメラの最前線を走り続けてきました。そして、最新モデルである「Pixel 9 Pro」、「Pixel 9 Pro XL」は、その伝統をさらに進化させ、新たなカメラ体験を提供してくれます。AI技術とハードウェアの融合により、あらゆるシーンで美しく写真と動画を撮影できます。「Pixel 9 Pro」、「Pixel 9 Pro XL」は、カメラ好きはもちろん、スマートフォンで手軽に美しい写真を撮影したいすべての人にとって最適な選択肢となるでしょう。その実力をキタムラ店頭でお試しください!

 

 

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■写真家:三井公一
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆、セミナーなどで活躍中。さまざまな企業のイメージ撮影や、ポートレート撮影、公式インスタグラムの撮影などを多く手がける。スマートフォン撮影のパイオニアとしても活動中。

 

 

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