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インドの村を訪れたとき、村の母子が正装して現れたが、その装飾品の豪華さには驚かされてしまった。
■カメラ:ペンタックス645 レンズ:80-160mm 絞り:f8 シャッタースピード:オート フイルム:RDP
撮影地:インド ラジャスタン州のある村 |
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ブッシュマンの部落を訪れたとき、夕方に村人が集まってきて焚き火を囲んで円陣を作り、ひとりでに踊りだした。
■カメラ:キヤノンEOS-RT レンズ:シグマ15mm 絞り:f4 シャッタースピード:オート フイルム:EVS
撮影地:ボツアナのブッシュマンの部落 |
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美しく透き通った海岸線の一角、岩場の一角にクロサギが羽根を休めていた。
■カメラ:ペンタックス645II レンズ:6×7/300mm 絞り:f4 シャッタースピード:オート フイルム:SRS
撮影地:オーストラリアケアンズの海岸 |
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牛車が埃を立てて進む様子がとてものどかな光景は時間とタイミングが良否を決定する。
■カメラ:ペンタックス645 レンズ:300mm 絞り:f4 シャッタースピード:オート フイルム:RDP
撮影地:インド ラジャスタン州のある村道で |
| ―――それでは、海外での撮影というのはいつ頃からになるのでしょうか?
田中先生の事務所を4年半で退職し、フリーになったときに、「一番最初に行くんだったらアフリカ」と思い、南アフリカと東アフリカへ行きました。東アフリカはケニヤやタンザニアあたりです。やはり動物との出会いが多いところですからね。
それでフリーになった途端、いろんなところを飛び回るようになったんですよ。
―――動物の撮影では、その「習性なり環境をよく理解してから」といわれますが。
いや、前もって理解なんてできないですよ。もちろん知識を得ておくことはできますが、それまで本で読んで知っていた知識が、何回と通っていくうちに「ああ、これは本当だ」と理解に変わっていくものです。
例えば若いアフリカ象などは、自分が強いということを示したいんでしょうが、耳を広げて鼻を鳴らしてちょっと威嚇してくることが何回かありましたね。
アフリカでは基本的にドライバーを雇ってサファリカーで動かないといけないので、危険な目に遭うことはまずありません。それでも最初に行った頃は、アフリカ象の前では急に危険な状況になっても、すぐに逃げられるように、決してエンジンを切ることはなかったです。
ただ最近では、サファリで野生動物を見に行くには、車という手段が当たり前になってきているので、象も車に慣れているようなんですね。車が自分たちに害を与えないことを、ちゃんと理解しています。だから近頃のドライバーは象の近くでも平気でエンジンを切るようになりました。
―――先生の作品を拝見すると、動物写真からはじまって、大自然の風景写真への変遷のようなものを感じるのですが?
自分で意識的に流れやテーマを持っているわけではないんです。
野生の大型獣を見ていると、やはり広大でダイナミックな景色が似合いますよね。
最初の頃は動物しか意識になくて、景色を撮影するということはほとんどなかったのですが、大型獣を追いかけていくうちに、彼らが住んでいる環境に注目するようになり、やがて大自然の造形の素晴らしさに目が向いていったということです。
人間がイメージでつくり出すデザインと、自然がつくり出すデザインというのは全然違いますよね。
今は動物がいなくても、あらゆるものが被写体に見えます。原野に出かけてみれば、見るべきものはたくさんあるわけです。
例えば最近ではアメリカへ撮影に行くことが多くなりましたが、国立公園などで、巨木を探したり、水の流れのきれいなところなどいいモチーフを追いかけていくと、さらにそれに付随して様々な被写体が見えてくるようになるんです。
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