カメラのキタムラ
Vol.50 2004 AUTUMN
フォトワールド 十人十色 第6回  
自然の中で出会う花たちの魅力をあるがままの姿で写し撮る。
アマチュア写真家 調 重行
今年の5月27日から6月1日まで、福岡アジア美術館 交流ギャラリーで、写真展「野草百花」を開催された調 重行先生。初の写真展にもかかわらず、数多くの人が訪れさまざまな方面で話題となりました。作品は身近にある山野草を自然光だけで撮影したもので、自然の中で生きる山野草たちの魅力が最大限に表現されていました。レフ板など一切使うことなくあるがままの姿を撮り続けている先生に、山野草や自然の撮影に対する心構えなどをお聞きしました。
【ヒガンバナ】
■カメラ:コンタックスRX レンズ:プラナー50mm F1.4 絞り:f16 シャッタースピード:AE フィルム:フジクロームRVP 三脚使用 撮影地:福岡大野城市牛頸(9月)
【オミナエシ】
■カメラ:コンタックスRTSIII レンズ:マクロ・プラナー100mm F2.8 絞り:f2.8 シャッタースピード:AE フィルム:フジクロームRVP 三脚使用 撮影地:熊本県阿蘇大観峰(8月)

押し花が趣味だった奥様に
頼まれて撮り始めた山野草写真。

 高校生の頃は写真部に所属していて、もともと写真には興味があったという調先生。しかし、社会人になり仕事が忙しくなるにつれ、写真を撮る機会が減っていったそうです。そのような時に、押し花を趣味にしていた先生の奥様から、「押し花は時間がたつと変色したりして、きれいな姿を保つことができないので、写真を撮って図鑑にして残したい」。と相談をされたことがきっかけとなり、再びカメラを手にされた調先生。それ以後、約20年にわたり福岡を中心に山野草を撮りつづけてこられました。
 当然のことながら撮り始めた頃は、山野草の名前も知らず撮影されていましたが、やがて植物図鑑などを見て徐々に名前を憶え、道端に咲いている花を見ただけで、その花の名前がごく普通に出てくるまでになりました。このことには山野草の先輩である奥様も大変に驚かれたそうです

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