桜にまつわる言葉も数多くあるように、古くから日本人は桜への思いを抱き続けてきました。そのようなことは誰彼に教えられることではなく、日本列島ならではの細やかな自然環境の中で育っていることで、感じ取れるようになるのです。外国にも桜(チェリー)はありますが、このように感情移入するようなことはありません。だから我々の桜に対する感情は、おそらく日本の風土と密接に結びついているのだと思います。
桜がパッと現れて、パッと花散るのは刺激的なことです。それは時の節目だと思います。新年度を4月としたのも、そのような根拠があるのかも知れません。
花が咲くことで時が始まり、散ることで再び動き始める。そういうポイントに位置づけられるのではないかと思います。
ただし全国一斉ではなく、それぞれの地域で、桜は程よい時に咲きます。北海道の桜は5月中旬から下旬に、気候が暖かくなったところで咲いてくれます。また、東北の桜は4月の中旬から5月の上旬にかけて咲きます。その土地に本当の春を告げるメッセンジャーとして桜が存在しているのです。
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【新緑と残雪】北国の春は残雪の中にやって来る。新緑の緑との美しいコントラスト。
■カメラ:ミノルタα-9 レンズ:ハイスピードAFアポテレ300mm F2.8G Sモード シャッタースピード:1/125秒
AE +2/3補正 フィルム:RVP100 PLフィルター 三脚使用 撮影地:北海道大雪山山腹 |
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