梅雨の時期だからこそ撮れる「雨の風景」を撮影してみよう!
2014.06.03 UP
雨の風景の撮り方をプロのカメラマン監修のもとレクチャーします。
梅雨の時期は雨も多く、写真を撮る機会も減りがちですよね。
でも、雨の日にしか撮れない幻想的な雰囲気の写真もあるんです。
ちょっと外に出て撮ってみたくなる撮影テクをご紹介しましょう。
水滴の写真を撮りたい時は「光」の位置に注意
雨の日だからこそ撮れる写真に、「水滴」があります。
スマートフォンを葉っぱの近くに寄せて撮影すれば、水滴が光って涼しげな写真になりますよ。
ここで、注意点がひとつ。
水滴を光らせるためには、光の向きが重要です。
雨の日でも太陽光が一切ないわけではありません。よく見てみると、日陰と日なたがあります。
水滴を撮る時は、写真の奥側が日なた、手前が日陰になっている状態でスマホを構えましょう。つまり、「逆光」のポジション。
逆光で撮ることによって、一方向からだけ光があたり、水滴がキラリと輝いて見えるのです。
- 手前が日なたの状態で撮った場合。葉っぱ全体に光が当たって拡散し、水滴がキレイに写りません。また被写体に寄った写真はブレやすいので、手元にも注意を払いましょう
- 手前が日陰の状態で撮った場合。水滴の上側にだけ光が当たり、形がくっきり現れます
水たまりも「逆光」で撮ることで幻想的な写真に
実は、水滴以外にも「逆光」で撮った方がいいものがあります。それが「水たまり」。
水滴と同じように、奥が日なた、手前が日陰の状態で撮ってみましょう。
すると、不思議なことに降ってくる雨でできる波紋が、キレイに浮かび上がるんです。
同じ水たまりを逆方向から撮ってみると、まったく波紋が見えないことがわかるはず。
同じ場所でも、光の位置を変えるだけで見え方が変わるので、さまざまな方向から撮ってみるといいですよ。
- 手前が日なたの状態で撮った場合。水たまりの底に光が当たってしまい、まったくキレイではありません
- 手前が日陰の状態で撮った場合。水たまりの表面にだけ光が当たり、波紋が浮かび上がる幻想的な写真に
ぼんやりしがちな風景写真も「モノクロ」にすると雰囲気UP
雨の日の風景写真は、降ってくる雨の影響で、全体的にほんやりとした写真になりがちです。色味もあまり鮮やかには写りません。
しかし、明るさも色味もぼんやりとした写真だからこそ、生きてくる加工法があるのです。
それが「モノクロ」。
ふんわりした雰囲気が生きて、情緒的な写真に仕上がります。
また、モノクロにすることで明暗がはっきりするので、ぼんやりしていた印象が消えます。
そのため、日なたと日陰の部分が両方写り込む場所で撮ると、モノクロにしたときに美しい風景写真に仕上がります。
逆に、晴れた日の写真をモノクロにすると、明暗がはっきりしすぎて、全体が白く飛んだり黒くつぶれたりしやすくなります。
カラーで撮った写真をモノクロにするだけで、ノスタルジックな印象に。雨の日のぼんやり感が、モノクロにしたときに生きてきます。
撮影を終えて・・・
雨の日の撮影方法をご紹介しました。
今回意識したのは、光の位置。
空が曇っていると忘れてしまいがちな要素分ですが、雨の日こそ光の位置や太陽の向きを意識して撮影してみましょう。
基本的には、「逆光」で撮るのがベストです。
うまく撮れないと感じていた写真が、グッと美しく仕上がるかもしれませんよ。
<監修カメラマン> 片桐圭さん