写真の色味を調整 ホワイトバランス活用法
2015.07.07 UP
ホワイトバランス調整機能の活用法をプロのカメラマン監修のもとレクチャーします
Androidスマホのカメラの基本性能として搭載されていることも多い「ホワイトバランス」の調整機能。(iPhoneなら、アプリをダウンロードすれば調整できます。写真を撮るときに調整するなら「ProCam」。撮った後に加工するなら「Snapseed」がオススメです。)
しかし、その使い方を知らない人も多いのではないでしょうか?
色味の調整だけでなく、写真の雰囲気も変えられる「ホワイトバランス」について紹介します。
そもそも、ホワイトバランスを調整する意味を知っていますか?
名前にもあるように、白いものを“本来の白色”に写すための機能なんです。
人間の目には白く見えているものも、実際は太陽光や蛍光灯、白熱灯などの光源の影響を受けて、青みがかったり赤みがかったりしています。カメラは、光源の影響を受けた色味で写すので、白が白くならならず、それ以外の色も本来の色とは異なった色味で写ってしまうことがあります。
そこで役立つのが、ホワイトバランスの調整機能。
ホワイトバランスには「晴天」「曇天」「蛍光灯」「白熱灯」といったモードがあります。撮影している環境に合わせてモードを選ぶと、白を本来の白に写せます。
白がキレイに写るということは、ほかの色も本来の色で写るというわけです。
しかし、ホワイトバランスには色味をキレイに写すだけでなく、全体の色調を変えるという使い方もあるんです。
太陽光はやや青み強いため、「晴天」モードには赤みや黄みを増す効果があります。「曇天」モードではさらに赤み、黄みが強くなります。
逆に、白熱灯の明かりは赤みがかるため、「白熱灯」モードにすると写真に青みがプラスされます。蛍光灯は、もっとも色味に影響を及ぼしにくい光源といえます。
実際に、作例を見るとわかりやすいでしょう。
屋外で青みがかった哀愁漂う写真を撮る方法
ここからは、ホワイトバランス調整の応用編を紹介していきましょう。
屋外で撮影する場合、基本的に「晴天」モードで撮影すれば、本来の色で写し出すことができます。では、晴れた日に「曇天」モードを使うとどうなるでしょうか?
ほんのり赤みや黄みがかるため、夕暮れのような温かさのある写真に仕上がります。
屋外であえて「蛍光灯」「白熱灯」モードを使うと、青みが強くなり、切なさや哀愁が漂う写真に変化しますよ。
料理写真に温かさをプラスする方法
屋内でホワイトバランスが本領を発揮するのが、料理の撮影。
料理本来の色味を収めることで、おいしそうに見えるのです。
部屋の照明に合わせて、モードを「蛍光灯」や「白熱灯」に切り替えましょう。白米などの白いものは特に照明の影響を受けやすいので、ホワイトバランスを調整して白く写すと、食欲をそそる写真になります。
しかし、あえて「晴天」モードを使い、温かみをプラスする方法もあります。
普通に撮影すると、蛍光灯や白熱灯の影響でやや赤みがかって写りますが、「晴天」モードにすることでさらに赤みが強くなり、ホッとするような雰囲気になるのです。テーブルや食器が無機質な素材の場合は、あえて赤みを強くすることで、おいしそうに見せることもできます。
撮影を終えて・・・
今回はホワイトバランス調整機能の活用法を紹介しました。
写真をキレイに写すためにも、知っておきたい機能ですね。
Androidではほとんどの機種のカメラで調整できるようになってきていますが、iPhoneでは前述したアプリの他にもホワイトバランスを調整できるカメラアプリがあります。
ただし、モードではなく、色合いの数値(単位K(ケルビン))を自分で調整するアプリも多いです。その際は、太陽光が5500K前後、白色の蛍光灯で4200K前後、白熱灯が3000~3500Kと覚えておきましょう。
ホワイトバランスを調整して、さまざまな雰囲気の写真を撮ってみてくださいね。
<監修カメラマン> 片桐圭さん