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【アメリカン・ショート・ヘア(原産国:アメリカ)】
小箱から顔を出している場面をイメージして何種類かの小道具を用意しました。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール105mmマクロ 絞り:f4 AE(1/250秒相当)フィルム:フジクロームプロビア100F 三脚使用 撮影地:茨城県北相馬郡 |
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動物のいい表情を撮るには、
普段からの信頼関係が
大事なんです。
―――今、先生の飼われている動物の種類と数はどれくらいですか?
犬が20頭以上、猫が30匹以上、それとウサギ、モモンガ、フェレット。あとハムスターは20匹以上います。
これだけ数多くのペットがいるのは、もちろん私が動物のことを好きだからなんですが、一番の理由は、いい表情を撮るには普段からの信頼関係がとても重要だからなのです。ペットは野生動物と異なり、体調管理をしっかりしておかないと、目やにが出たり、毛づやの輝きが悪かったりすることになります。だからブリーダーのように繁殖が目的ではありませんが、健康状態にはいつも気を配っています。私にとっては、かわいいペットであり、そして何よりも大事な被写体なんです。
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【イングリッシュ・セッター(原産国:イギリス)】子犬が遊んだりじゃれたりする小道具を、いつも車に積んでいます。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール200mmマクロ 絞り:f4 AE(1/1000秒相当) フィルム:フジクロームプロビア100F 三脚使用 +1増感現像 撮影地:千葉県印旛郡 |
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―――先生と奥様の二人だけで、これだけ多くの動物たちの世話をされるのですか?
そうなんです。実際に全ての動物たちの世話をすることはかなり大変です。以前に一度、二人では世話をしきれないので動物を減らそうとしたこともありました。若い動物を購入せず、今いる動物たちもお産をさせなかったんです。でも、そうなると今度は年老いた動物たちが増えてきて、なんだか活気がなくなってしまったのです。
やはり、私にとって動物たちは大事な被写体であると同時に、大切な家族の一員なのです。産まれたばかりの赤ちゃんや、イタズラ盛りのやんちゃ坊主もいて、手はかかるけれどそれが楽しみでもあるのです。
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【日本猫(我が家で生まれました)】
暑さを避けて木陰での撮影。鏡のように反射するレフ板をカメラと反対側に、ナシ地のレフ板をカメラ側にと、2枚のレフ板を使用して、メリハリを出しています。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール300mm 絞り:f4 AE(1/250秒相当) フィルム:フジクロームプロビア100F レフ板2枚・三脚使用 撮影地:千葉県香取郡 |
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―――ご自身のペットと他のペットでは、表情の違いというのは、写真にも表れるものなのですか?
カレンダーなどの仕事で、私のところで生まれ育ったペットを撮った写真と、よそで飼われているペットを私が撮った写真を一緒にして、その中からセレクトしてもらうと、やはり私のところのペットの写真を選ばれることが多いのです。
やはり、人間でも、いざレンズを向けると多少は緊張するものですが、そのことは動物でも同じなんです。子供の写真などでも、家族が撮ったものと他人が撮ったものでは子供の表情の自然さが違うように思えます。
普段から一緒に生活をしているので、動物たちも私のことを信頼して、心を開いてくれていると思います。その気持ちが表情に表れるのです。
だから、頼まれてペットの撮影に行っても、限られた時間の中で動物たちと心を通い合わせ、レベルの高い写真を撮るというのは、非常に難しいものです。
また屋外、特に砂浜の波打ち際や雪が積もった時などは、その環境に慣れていないペットには危険が伴うこともあるので、そういった万が一のことも考えて、なるべく自分の飼っているペットを使って撮影することにしています。
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【シェットランド・シープドッグ(原産国:イギリス)】道路が凍結する前に、関東地方で最も早くスキーができる(人工降雪機で)奥日光の丸沼高原に連れて行って撮影しました。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール300mm 絞り:f5.6 AE(1/1250秒相当)フィルム:フジクロームプロビア100F 三脚使用 撮影地:群馬県丸沼高原 |
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【ジャック・ラッセル・テリア(原産国:オーストラリア)】波にさらわれるような危険が伴う海岸での撮影にはとても神経を使います。水に映る犬の影にも注意します。
■カメラ:ニコンF5 レンズ:ニッコール200mm マクロ 絞り:f4 AE(1/1250秒相当)フィルム:フジクロームプロビア100F 三脚使用 撮影地:千葉県九十九里浜 |
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野生動物の撮影は、まず習性を勉強するなど事前の情報収集が大切。
―――野生動物とペットの撮影。両者の撮影における違いはどのようなことでしょうか?
共通して言えることは、動物相手なので、本当のシャッターチャンスは非常に少ないということです。
特に野生動物を撮影するには、やみくもに撮ってもうまくいくはずがないので、まずは撮影する動物のことをよく知ることからはじめる必要があると思います。
何を食べて、どのような行動習性があるのかといった、事前情報を撮影以前にいかに収集できるかがポイントとなります。
だから撮影者というよりは動物学者のような気持ちを持って臨むべきだと思います。これらのことを理解した上で、あとはひたすらシャッターチャンスを待つことになります。これはまさに自分との戦いになりますが。 |