記録画質の設定の話

記録画質といえばカメラの持つ画素数を思い浮かべると思います。デジタルカメラではRAWとjpegで撮影記録することができます。最近ではRAWでの記録サイズを変更できるカメラも一般的になってきていますが、ここでは主にjpegでの記録画質について述べていきます。

それぞれカメラによって記録できる最大の画質は異なりますが、例えばここ2～3年の間に登場したカメラは1800万画素程度の最大記録画質をもっていると思います。1800万画素もあれば少なくともA3ノビ、A2（420×594mm）A1（594×841mm）サイズのプリントにも引き伸ばすことができます。大きな展覧会などを行う際にはもっと大きく引き伸ばす写真家もいますが、通常多くのかたが家庭のプリンターで出力するサイズはA4までが多いのではと思います。そのことから、現在のカメラはデータ容量だけを見ても十分すぎるクオリティーを持っています。実際APS-Cサイズのセンサーで500万画素程度の記録画質に設定しておけば最大A4サイズのプリントは十分鑑賞に堪えます。

カメラの記録画質セレクト画面を見て見ると、最大記録画質だけでなくそれ以下の設定もセレクトできるようになっています。画素数を下げて記録する項目（Large,Middle,Small)や圧縮率を下げる（Fine,Normal）などです。例えばLarge,Fineの設定にすればそのカメラが持つ最高のクオリティーで記録できます。一方、Small,Normalに設定すれば、そのカメラが記録できる一番少ない記録容量と画質で撮影できます。一度に大量にシャッターをきる（高速連写）、容量の少ないカードに少しでも多く記録する、大きくプリントをすることがないので初めから大きいデータが必要ない、などの理由であれば記録画質を小さくしておいても問題ないでしょう。しかし、後々画像処理などを行うのであれば出来るだけクオリティーの高い画質での記録がいいでしょう。圧縮されて容量が少なくなったjpegデータは元に戻らないからです。

よく生徒さんからのご質問で「どれぐらいの画質設定にしておけばいいでしょうか」聞かれます。所有するメモリーカード、写真の保存環境、PCの環境などを考えれば小さいデータのほうがメリットはあるのですが、一枚の大切な写真をいざプリントするといったときに、小さなデータでは最大の画質で撮影されたものとは比較になりません。そのため「カメラが持つ最高の画質で撮影しておいてください」お答えします。なにかの理由で小さなデータで記録しなければならないというのであれば別ですが、できることなら最大のクオリティーでの撮影をオススメします。