人物写真をワンランクUP!自然光の上手な使い方
2015.06.02 UP
光を上手に使った撮り方をプロのカメラマン監修のもとレクチャーします
屋外で人物写真を撮る時、顔に影がかかったり、顔色が悪く写ったりしませんか?
実は光の向きを工夫し、ちょっとしたグッズを活用することで失敗を軽減できるんです。
今回は、プロのカメラマンが実践している自然光活用テクを紹介します!
人物写真のキホンは「太陽の位置」
人物を撮影する時、被写体の正面に太陽を配置する「順光」と、背中側に太陽を配置する「逆光」、どちらで撮っていますか? 順光だと光がダイレクトに被写体の顔に当たるため、明るく写ると考える人は多いのではないでしょうか。 しかし、実は逆光の方が人物写真に向いているんです。
被写体の正面から光を当てると、全体的に明るく写せますが、顔にかかる髪の毛などで影ができ、表情を隠してしまいがちです。また、被写体となる人は、眩しさで目を細めやすいのです。
その点、逆光の場合は直接光が当たるわけではないので、影ができにくくなります。
ただし、被写体の真後ろに太陽があると、人物が暗くなってしまうこともあります。太陽の理想的な位置は、被写体の斜め後ろ。サイドからほどよく光が当たって、明るく撮影できますよ。
うまく逆光のポジションを見つけられない時は、日陰で撮影するのもOK。日陰に入ることで、被写体に当たる光の量が均一になるため、顔に影がかかる心配がなくなります。
自然光を生かす「かんたんレフ版」を使って美肌写真に
太陽の位置を意識したら、さらにキレイに写すためのアイテムを用意しましょう。
逆光で撮ると影はできませんが、全体的に落ち着いた雰囲気になりがちです。そんな時のために「レフ版」を活用しましょう。
レフ版とは、光を反射させて被写体を明るく照らす撮影アイテムのことですが、カメラショップなどで買う必要はありません。スケッチブックなどの白い紙、鏡や車のフロントガラスに置く銀シートなど光を反射するもので代用できます。
今回はスケッチブックをレフ版にして、撮影します。
太陽を被写体の斜め後ろに置いたら、後ろから差し込む太陽光を反射し、被写体の顔に当てるような位置にスケッチブックを配置します。
バストアップの写真を撮る場合は、被写体自身がスケッチブックを持つと調整しやすいです。被写体がやや眩しさを感じる位置が、ベストポジションです。全身を撮影する場合は、銀シートなど大きめのアイテムを、撮影者でも被写体でもない第三者に持ってもらいましょう。
実際にレフ版を入れて撮影すると、その違いは一目瞭然です。顔色が明るくなり、肌にツヤが生まれ、生き生きとした印象に変化しますよ。
顔の下半分が影になりやすいので、顔の斜め下にレフ版を置き、下から照らすようにするとより明るく写せます。
光を遮る「ディフューザー」でやわらかく仕上がる
ここまで太陽光を生かした撮影法を紹介してきましたが、実は曇りのほうが人物撮影には向いています。
理由は、最初のポイントで紹介した「日陰で撮る」方法と同じです。雲が直射日光を遮るため、被写体に当たる光が均一になり、顔にかかる影を軽減できるのです。
しかし、写真を撮りたい日が必ずしも曇りとは限りませんよね。
日差しが強く、どうしても顔に影がかかってしまう日は、光の量を抑える「ディフューザー」を用意しましょう。身近なものだと、半透明のビニール傘がディフューザーの働きをしてくれます。
太陽に向けて半透明の傘を掲げ、被写体の周りに日陰を作るようにすればOKです。その状態で撮影すると、ふんわりとした光が被写体を包み、陰影の少ないやわらかな写真に仕上がりします。
このテクニックは室内でも応用できます。窓際で自然光を生かして撮りたい時、レースのカーテンをディフューザー代わりにすると、同じように影が生まれにくい写真になりますよ。
撮影を終えて・・・
今回は自然光を活用した撮り方を紹介しました。
撮影日は日差しがかなり強かったので、太陽の向きによってガラッと印象が変わることが伝わりやすかったのではないでしょうか?
特殊な撮影機器を使わなくても、スマホとちょっとしたグッズだけでキレイに撮れるので、試してみてくださいね。
最近は、写真をキレイに補正できるアプリもたくさん出てきています。
逆光や日陰の撮影は、慣れないとどうしても暗く写ってしまうことがありますが、そんな時はアプリで明るさを調整するのもいいでしょう。
<監修カメラマン> 片桐圭さん