売れるポイントは“シュールさ”!? LINEスタンプの担当者にお話を聞いてみた
2014.12.23 UP
カンタンな操作と個性的なスタンプで人気の無料通話・メールアプリ「LINE」。スタンプを自分で作って売れる「LINE Creators Market」が話題を集めていますが、今回は、「LINE Creators Market」担当者に売れるLINEスタンプのヒミツなど、ウラ話をこっそり聞いちゃいました!
お話をうかがった人
渡辺尚誠 さん
LINE株式会社 スタンプ企画チームマネージャー
もともとユーザーから強いリクエストがあったんです
――まず、「LINE Creators Market」ができたきっかけは何だったんですか?
渡辺さん(以下、渡)「大きく3つのきっかけがあります。1つ目は、LINEユーザーから『スタンプを作りたい』という要望があったから。2つ目は、LINEは世界230の国と地域で展開されるサービスで、好みは国や地域によって異なるため、各国のユーザーが好むスタンプを把握するには限界があったからです。そこで、ユーザー自らスタンプを作成してもらうことで、各国の嗜好や傾向をつかめればと考えたんです」
――マーケティング的な意味があったとは、驚きです。
渡「そうなんです。そして3つ目のきっかけですが、公式スタンプは全世界のユーザーを対象にしているため、万人に受け、使われやすいようにデザインや表現内容が制限されます。その点、クリエイターズスタンプは自由度が高く、その国や地域に合った新たなジャンルや表現方法が可能で、スタンプのバリエーションも豊富になると思い、サービスの開始に至ったんです」
トーク上での“使いやすさ”を考慮することが大事
――現在は3万セット以上のクリエイターズスタンプが販売されていますが、渡辺さんが考える“売れるスタンプ”のポイントを教えてください!
渡「これまでになかった新しい切り口のスタンプは人気が高く、ユーザーに受けています。例えば、方言を用いたものやシュールなイラストのもの。売れるスタンプを作るためには、現在人気があるスタンプを分析しつつ、そこにない要素を盛り込むことが大切だといえます」
――なるほど。しっかりリサーチしつつ、新たな要素を入れることが重要なんですね。
渡「クリエイターズスタンプを購入されたユーザーの方から『ちょっと気持ち悪い』とか『シュールで面白い』といった意見をいただくことも多いので、正統派よりも少しクセのあるイラストが受けるともいえそうです。私自身もいちユーザーとして、上司と競い合って面白いスタンプを見つけては、夜中に送りあったことがあります(笑)」
――クリエイターズスタンプの上位には、送られてきたら思わずクスッと笑ってしまいそうなものも多いですよね。イラストのインパクトも大事だと。
渡「ただ、インパクトだけでなく、トーク上での“使いやすさ”を考慮することも大事です。スタンプは会話の応答として使われることが圧倒的に多いので、相手から送られてきたメッセージに反応するような内容だと使ってもらいやすい傾向があります。1セット40種類のなかに、さまざまな感情の返答を的確に表したイラストがあれば、使いやすいと思いませんか?」
――確かに、1セットあればどんな内容にもリアクションできるスタンプは重宝します。つまり、“新しさ”と“使いやすさ”がポイントといえますね。
渡「サービス開始のきっかけともつながりますが、自由度の高さがクリエイターズスタンプの魅力なので、これまでのスタンプに捉われずに遊んでみてほしいですね。ガイドライン(※)さえ守ってもらえれば、イラストやデザインは自由ですから」
――ガイドラインの話も出ましたが、売る前にスタンプが販売可能な内容かどうかの審査もありますよね。審査のポイントは?
渡「公序良俗に反していないか、暴力的な表現・犯罪やいじめを助長するものでないか、透過やサイズなどフォーマットに問題がないかなど、ガイドライン違反の有無ですね。個人の主観での審査とならないよう、1つのスタンプを複数のスタッフで審査しています」
※ガイドラインの詳細:https://creator.line.me/ja/review_guideline/
クリエイターズスタンプに絵の上手い下手は関係ない
――教えてもらった“売れるポイント”を参考に挑戦してみたいと思いますが、実際にスタンプが売れたクリエイターさんも多いですよね。
渡「そうですね。人気が出たことで会社を辞めてイラストレーターとして生計を立てるようになった方や、売り上げで家のローンを返した方もいらっしゃいます。描いたキャラクターが有名になり、グッズ化の問い合わせが来るようになったクリエイターさんも増えているようです」
――最後に、どんな方に「LINEクリエイターズスタンプ」に挑戦してほしいですか?
渡「年齢、性別問わず、さまざまな方に挑戦していただきたいです。以前、クリエイターさんにアンケートを行ったところ、デザインの勉強をしたことがない方が約半数もいることがわかったんです。クリエイターズスタンプは絵の上手い下手は関係ありませんし、自分の表現したいことがあろうとなかろうと、お小遣い稼ぎで気軽に参加できるサービスなので、イラストを描いたりクリエイターとして働いたりした経験のない方にもぜひ参加してほしいです」
あとがき
今回は「LINE Creators Market」担当者の渡辺尚誠さんにお話を聞きました。 自分のイラストが世界へと広まり、新たなチャンスをつかむことができるかもしれない「LINE Creators Market」。 “売れるポイント”は「これまでにないイラスト」と「会話の中での使いやすさ」といえそうですね。 興味がある人は気軽に参加してみてはいかがでしょうか? あなたのイラストがコミュニケーションツールになる日が来るかもしれませんよ♪
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