種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2013.08.02【Vol.127】
日常生活における家電製品も含め今ではすべてデジタルに置き換わり、旧来からそのままある製品はアナログと呼ばれています。今では写真といえばデジタルで、カメラもデジタルカメラのことを指します。昔ながらのフィルムで撮影されたものはフィルム写真やアナログ写真とわざわざ呼び、カメラもまた同じです。
このように、昔は当たり前のものもわずか10数年で古いものになってしまいます。よく「まだフィルムってあるんですか」とか「カメラは売っているのですか」と聞かれます。「まだまだありますよ」と答えるのですが、何時までそう答えられるかはわかりません。
ただし、昔に比べかなりフィルム写真の環境は整理されたとはいえ、フィルムカメラで撮影して現像、引き伸ばしを趣味にしたり、作品作りを行っている方もまだまだたくさんいます。事実、フィルムも国内外のメーカーからモノクロ、カラー含めて50種類程度がリリースされています。
カメラに関しては大手カメラメーカーがわずかにフラッグシップ一眼レフを残すにとどまり、その他は趣味性の高い中判カメラやトイカメラが新製品として入手可能です。ただ、撮影後の処理、現像引き伸ばしの環境は年々縮小されてきています。もっともフィルムで写真をはじめる世代が減っているので仕方ないことです。
フィルムで写真を撮影する魅力はフィルムで撮影したことのある人しかわからないはずですが、それを体験してみたい人も増えてきているのも事実です。デジタルで写真をはじめてからフィルム写真にという流れが多いようですが、デジタルほど撮影しすぎない、改めて写真の基礎を学べるなど、新しい発見が新鮮だということだそうです。
「まだまだありますよ」とこの先言えるように、デジタルだけでなくフィルムの両方がホビーとしてずっと続くことを願うばかりです。