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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2013.03.29【Vol.109】

撮影機材の手入れ、保管の話

フォトコラムでたびたび取り上げている機材のお手入れや保管方法ですが、気温が上昇する春先や毎年訪れる梅雨の前に必ずチェックしておきたいものです。というのもレンズにカビが生えてしまう恐れがあるからです。ボディー本体は常に撮影のたびに外に出され人の手にも触れるので表面にカビが生えることは少ないのですが、しまいっぱなしになっている機材、特にレンズは知らない間にカビが生えることがあります。

■生育温度 0~40℃
・活動が活発になる温度 25~28℃
・カビの好む湿度 50%~65%以上 ちなみに東京・大阪の年間平均湿度66%

上記はカビが生える条件の一つですが、日本にいる以上、機材にカビが生える条件からはなかなか逃れられないようです。コウジカビの種類がガラスやフィルムなどを侵しやすいそうで、比較的乾燥にも強いという点がネックです。

ただし、カビの栄養分となりうる脂やたんぱく質などの汚れを掃除しておけばそのリスクも確実に減るようで、乾燥させることも大事ですが、まずは機材の手入れという点が一番大切だということです。

■カメラの保管に適さない場所
・押し入れや納戸、カメラバッグやケースなど(特に古いカメラに付属する革ケースは危険)
・紙製の箱など吸湿性のある容器

■対策として
・大型のタッパーなどでも簡易保管庫になる
・エアコンなどで急激な温度変化がおこる空間や環境をなるべく避ける
・カメラを常に使うもしくは空気にさらすことが重要

もちろん掃除だけでなく保管場所も重要です。常に一定の温度と湿度をキープする防湿庫は手っ取り早く便利な保管場所です。機材が増えてきたり、新しく防湿庫を置くスペースなどの問題がありますので、導入が難しい場合は乾燥剤とカビ防止剤を定期的に入れ替える方法で密閉した容器に保管するのも一つの手です。

カメラ店は何百台ものカメラレンズをショーケースに入れているわけですが、店舗という乾燥した空間と適度な機材の出し入れで空気が循環することでカビの発生が抑えられているようです。

■カビが及ぼす影響
・逆光の時にフレアが多く発生したり、写真のコントラストが低下する可能性がある
・カビよりはクモリの方が写りに及ぼす影響が強い
・多少のカビであれば写りに影響は殆どないが、繁殖の原因になる

微小のカビがカメラに及ぼす影響は実のところあまりないのですが、それがレンズ全体に広がると上記のような症状になります。こうなってしまってはレンズの研磨しか完全にキレイにする方法はないのですが、ここまでの症状になるのは、カメラを長年ケースに入れたままで押入れやダンボールに入れていたなど、外気に触れない状況が続いた機材に起こる現象です。通常の使用であれば日ごろの手入れと保管方法を守っていればカビが生えるリスクは確実に減ります。

一度、日常の手入れと保管場所を改めて確認して見てはいかがでしょうか。


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