種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2014.12.19【Vol.198】
カメラ(レンズ)の撮影範囲を表してくれるファインダー。構図の決定、ピント合わせを行う部分としてカメラの機能としてとても重要な部分です。
一眼レフカメラで使われるレフ型ファインダーと呼ばれる一眼式反射式ファインダーは、主に被写体像を受け取るミラー、焦点合わせを行うピントグラス。届いた光を左右反転させるペンタプリズムから構成されています。メリットは、接写をしてもパララックスが発生しない。レンズ交換してもその都度レンズの視野を表示してくれる。フィルターの効果をダイレクトに確認できるなどが上げられます。そういったメリットを持つファンダー性能は、一眼レフカメラがメジャーなカメラの地位を確立する大きなきっかけになったといっても過言ではないでしょう。
では、かつて盛んに作られたレンジファインダー式カメラやクラップカメラ(蛇腹などの折りたたみ式)に搭載されていたファインダーにはどういったものがあったのでしょうか。
カメラの種類ほどファインダーがあるわけですが、その形式自体はそれほど多くありません。ガリレオ式望遠鏡の光学系を逆さまにしたタイプの逆ガリレオ式ファインダー、素通し枠を覗くだけのフレームファインダー、ガラスブロックに映った像を凸レンズで拡大して見るブリリアントファインダー、凹レンズを通した像を見るニュートンファインダー、コンツールファインダーなどです。
なかでもライカに代表されるようなレンジファインダーカメラに多く搭載された逆ガリレオファインダーは有名です。当然35mmカメラであれば搭載されるファインダーのそのほとんどは50mmの視野枠に限定されていました。レンズ交換を必要とせずそのカメラのフォーマットに対する標準レンズの視野枠さえあれば問題なかったのです。中でもファインダーにメッキの視野枠を設けて撮影範囲を視認しやすくしたツァイスイコンスーパーイコンタに始まるアルバダ式逆ガリレオファインダー(オランダ人の天文学者ブルノ ファン アルバダによります)はその多くを占めています。ですが次第にレンズ交換とそれに伴う単体ファインダーとの交換の手間も問題になったのではと思います。改良が進むにつれレンズ交換による視野枠切り替え可能なブライトフレームファインダーと進化し一応逆ガリレオファインダーは完成形を迎えました。現在でも一部のレンジファインダータイプのデジタルカメラで逆ガリレオファインダーが搭載されています。最近では電子ファインダーやライブビュー映像も当たり前になり、光学式ファインダーと二分しています。実際に見えているものそのままを確認できる光学式、各種情報などを盛り込んだ状態で確認できる電子式。個人的にはすっきりと見えているものそのままに確認できる光学式ファインダーが好みではあります。