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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2014.05.16【Vol.167】

クラシックカメラ話「WZFO ALFA」

「WZFO ALFA」

ポーランドのWarszawskie Zak ady Fotooptyczneワルシャワ写真光学製造所が1960年代初頭(1962年ごろ)に発売したALFAというカメラのご紹介です。1970年代(WZFOは1952年~1968年)までカメラを生産していたこの企業には、有名な製品として、二眼レフのSTARTやカラー引き伸ばしレンズのJANPOL COLOR 55mm,80mm 1:5.6などが知られています。

このALFAは縦型でカーブを基調にしたユニークなフォルムと鮮やかなカラーで、一見トイカメラのように見えるのですが、鉄やアルミ板などの金属を素材にした立派な35mmレンズシャッターカメラです。紺、エンジ、ベージュ、スカイブルーなどカメラに使われることの少ないカラーリングは非常におしゃれです。初代ALFAとALFA2の2種類があるのですが、両者の明確な違いは搭載されるレンズで区別できます。

ALFAがEuktar 45 mm f/4.5 ALFA2がEmitar 45 mmx f/4.5になります。いずれも3群3枚構成のレンズです。それとケーブルレリーズ取り付け部に違いを見ることができます。ファインダーにパララックス補正用の印が取り付けられるのはALFA2になってからということですが、補正用の印が付いていないALFA2も存在するため細かな仕様違いが混在していたようです。シャッターはB、1/30 1/60 1/125の4速、2枚羽根のリーフシャッターを搭載しています。大きな特徴として挙げられる、フィルム巻き戻し機構がないダブルマガジン方式を採用しているのは、設計上の都合なのか、フィルムや現像に関する要因なのか謎の部分です。

実際にALFAがどの程度生産されたかはわかりませんが、プラスチックを多用しない金属製のカメラであり、またWZFOの資金難の時代のカメラであることから生産数は多くないのかもしれません。また、立派な革ケースがあるのですが、ケースに入れられたまま放置されて、きれいなはずのカラーリングがサビによってダメージを受けている固体も多く見受けられます。完璧な状態のALFAを見つけるのは困難ですが、一体いくつのカラーバリエーションがあったのかをこの目でちゃんと確かめて見たいものです。


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