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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2014.11.07【Vol.192】

クラシックカメラ話 「フォクトレンダー ブリラント」

ブリラント

ブリラントは1932年から1951年ごろまで販売されたドイツ、フォクトレンダー社の二眼レフカメラです。フォクトレンダー社光学機械メーカーとしては歴史が古く創業は18世紀末ごろまでさかのぼります。カメラの生産も得意で、写真黎明期からレンズ、カメラを供給してきました。そんなフォクトレンダーですが、二眼レフカメラに至っては、このブリラントのほかにスパーブというカメラの2機種しか販売しませんでした(戦後にレンズ交換式の試作二眼レフが作られていますが、販売はされていません)。

このブリラントは廉価版のカメラとして主に初心者にも扱える簡素なつくりが特徴的です。一番初期のモデルは板金造りのボディーに簡易的なシャッターに開放F9、F7.1,F6.3の暗いレンズを取り付けただけでした。しかしながら、名前にあるようなブリリアントファインダー(大きな一枚コンデンサーレンズ)を搭載することで、視野は非常に明るく被写体を確認しやすいファインダーなっています。生産数も多く、シャッター周りに書かれている文字も、ドイツ語、英語以外に、フランス語やイタリア語、チェコ語などがあり、多く輸出されていたこともわかります。その後のモデルもこの明るいブリリアントファインダーは継承されていき、初期の板金モデル以後1937年ごろからはボディーをベークライト製にしたモデルも登場しますこのモデルはボディー側面にダークスクリーン式露出計とモノクロ用フィルターを収納できる点です。ただし、なくしやすいアクセサリーということと、ベークライトなので、収納部分の蓋が壊れているものも多いのが難点です。

さて、ロゴや機構などボディー上の細かい分類をすると多くのモデルが存在するブリラントですが、大まかに、ファインダーでピント調節のできないモデルとできるモデル(フォーカシングブリラント)に分けられます。また。搭載レンズはフォクター、スコパー、ヘリアー付きがあり、それぞれ搭載されるシャッターにもやや低価格帯のプロンターⅡから高級タイプのコンパーラピッドまでさまざまでした。また、その簡素なつくりからソ連製のKomsomolets(コムソモーレツ)やLubitel(ルピテル)としてコピーされたカメラです。

生産数が多いので、日本でも中古市場で見かけることのあるカメラですが、状態もまちまちで付属品などが完全に揃ったキレイなものを見つけるのがかなり難しいカメラの一つです。


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