修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2016.03.04【Vol.1324】
過日糸魚川市を訪れた際、庭先に巨大な実をぶら下げている木がありました。葉の姿から柑橘系と推測しましたが、獅子柚(別名:鬼柚子)と言う品種だったようです。
その獅子柚子が隠居人の所へやって来たのです。巨大な実は1Kgもあろうかと思われます。
鬼の顔を改めて見つめたことはありませんね!獅子柚子は深き皺だらけなのです。
目鼻を書き込めば鬼の形相になるのは請け合いです。
ブラシで汚れを落とします。切り分けていくと皺の奥にも汚れ有りで、再度洗います。
お~っ!外観から想像できない実の小ささなのですね!
果皮の次に厚いアルベドが実を覆っています。チョイト囓ってみました。甘さの中に苦みを感じます。これが半片なら申し分の無い柔らかさです。
アルベドを細かくしましたが、スポンジ状のアルベドは火の通りが悪いと推測します。
ではと実を解した中にアルベドを混ぜて電子レンジでチ~ンしてみました。
お~っと!!果汁が少なく焦がすところでした。
果皮は苦みを若干感じましたので湯こぼしを2度したのです。
甜菜グラニュー等を徐々に加えていき、ブレンダーで適度の粉砕を致します。
ブレンダーで適度の粉砕をした方が舌触りは良いです。
ここで問題が起きてしまいました。火に掛けて糖分が加わったことで、間もなく粘度が強くなりました。
獅子柚子は驚愕のペクチン(食物繊維)を含有していたのです。
糖度計の値が40を指しましたので甜菜グラニュー等を加えるのをやめました。
右端の白バルサミコスは苦み取りに加えました。
他のジャム作りの果実より煮詰める時間を必要としないので、より多くの仕上がり量になりました。果たして風味の程は如何なりますでしょうか?
しばらく馴染ませて味わってみました。柚を冠していますが柚の香りがしないのですね!
味わいは、苦さは消え酸味も感じません。もそっと酸味があった方が美味しいです。
この当たりが始めて扱う悲しさでしょうか?
古の昔、奈良時代に中国から渡来した品種で実は酸味強く生食に向かないとありました。
次回はレモン果汁を多めに加えるとより美味しいと思います。