修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2016.04.01【Vol.1332】
夏ミカンの苦み成分はナリンギンやリモノイドです。人間の舌は苦みを毒として捉えますので強く感じるようです。ですからと言って苦み成分を全て取り去ろうとすると風味に掛けてしまいます。仄かな苦みは大人の味わいなのでしょうね。
果皮にブツブツがあり油胞と呼ばれています。チーズブレンダーで削り油胞の出口を作ります。削りました果皮を舐めると言い表せない苦みを感じます。
上下を切り落とし1/12の切れ目を入れ果皮を剥きます。
果皮の下にある白いアルベドが透明になるまで湯がきます。
煮汁をチョイト飲みますと溶けだした苦味の強弱の目安になりました。
アルベドの内側には養分を運ぶ維管束が走っています。このままでも仕上げが悪く見えるだけです。美しさを求める隠居人出来るだけ薄く維管束部分を削ぎ落とします。
厚くアルベドを削ぎ落としますと仕上がりが固くなり食味に掛けてしまいます。
この時点で削ぎ落としたアルベドを味わうと苦みは強いです。
良く苦みを取るために複数回湯がくとの説明があります。
湯がいた毎に水を替えながら軽くもみ洗いをした方が苦みの軽減に繋がります。
仕上がりのしっとり感を求め水飴を使ってみました。使用量は適当でしたが大匙2杯を加えたのです。
水切りした果皮の重量6割の甜菜グラニュー糖を計量し、何回かに分けて糖度を上げていきます。
意に反して苦味や風味を除きすぎたら果汁を加えると風味が戻ります。とピール作り仲間が教えてくれました。
最後の煮詰め具合が難しい選択になります。途中でシロップ切りをするのか?もう少し水分を飛ばすかの選択ですね。完全に水分を飛ばしますと砂糖の再結晶化で綺麗に仕上がらない事がありました。鍋底の状態を確認しながらしっとり感を残した所で火を落とします。
キッチンペーパーを敷き乾燥具合を見極めていきます。
水分が多いとグラニュー糖を塗すときにダマになり仕上がりが綺麗になりません。
粉砂糖は粒子が細かくピールらしくありません。グラニュー糖では粒子が大きく上手く塗布できないのとムラが生じます。
如何に美しくグラニュー糖を塗せるか?とブレンダーで若干粉砕してみました。粉砕と申しましても均等に粉砕される訳でも無いようです。粒子がばらばらに粉砕されます。
塗してみると良き案配となりました。もう少し乾燥させることにします。
この時点で味見をすると苦み強めでした。水分が飛ぶ課程で干し柿作りならば渋み成分タンニンが集まり大きな結晶となり渋みを感じなくなります。夏蜜柑の苦み成分も同じ事なのでしょうか?徐々に苦みが軽減された気がしました。
日本橋三越バレンタイフェアで求めたケンプ・コーラのタブレット。GODIVAでも共通なのですがタブレットですとお買い得なのです。何故なのでしょうね?
湯煎してオランジュットにしてみました。クッキングシート上で固まらせます。
珈琲時間に味わってみました。ワインかウイスキーが良いかもしれません。