修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2015.03.27【Vol.1210】
昨年枝おろしをし、自己防衛からか結実致しませんでしたが今年はたわわに実りましたと無農薬放任栽培の夏蜜柑を頂きました。おまけにもう一軒からも頂いたのです。 無農薬は貴重な素材です。其れまでは酸っぱいとの理由で利用せず自然落下で大地に帰っていました。では、とピールにしてお礼としたのです。 余りの美味しさに今年はピール作りに挑戦し「何度も挑み体重が増えてしまいました」と嘆いておられました。
ピール作りは上品な苦さに仕上げるか、が鍵です。チーズグレダーで果皮の表面を削り落します。苦味成分ナリンギンは加熱すると可溶性になると言うのです。生ですと不溶性成分との事で、試しに削った果皮を舐めてみましたら強烈な苦さに閉口した次第です。
頭部と底部を切り落とし、果皮に1/16の切り込みを入れ果皮を剥がします。
内果皮にも苦味成分が含まれております。囓りますと最初は甘く後に苦味が襲ってきました。 出来栄えにも影響しますので内果皮を削ぎ落します。
ボールに水を張り、次々に浸していきます。 たちまちオレンジ色に変わりますね!仕込み中であっても水を何度も代えたのです。 何とか上品な苦味を残すにはとWebで調べましたが見つかりませんでした。 試みとして酢水に浸し3時間程放置しました。酢水と共に5分ほど加熱し湯こぼしをします。その後、水洗いをして15分ずつ2回の湯こぼしを致します。 湯がく時間は果皮の柔らかさを見極めながら調整します。 そして水に浸したまま一晩放置しました。 本当に酢に苦味をとる効果があるのか?検索条件を替えて調べてみました。 そうしましたら信頼できるHPを見つけることが出来たのです。 http://capd.terumo.co.jp/vol36/page4.html 参考にして頂ければ幸いです。
http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt6/salt6-98-05.html 此方のHPでは塩も苦味を抑えるとありました。 笊にて十分に水切り致し、重量比60%(300g)の甜菜グラニュー糖を用意しました。 用意したグラニュー糖の一部を塗し放置します。 浸透作用により水分が出て来た所で加熱致し、砂糖が溶けたのを見極めながら数回に分け糖度を上げて行きます。 形を崩さず綺麗に仕上げるには手返しが良いです。ですので手首が疲れます。
以前は完全に水分を飛ばしていましたが、砂糖の再結晶化で見た目が美しくありません。 若干、水分を残したところで火を下ろしました。
余分な水分をキッチンペーパーで吸収させます。余り乾燥させると飾り砂糖が塗せませんので頃合いを見極めます。水分が多すぎますと飾り砂糖がダマになり美しさに欠けます。
ビニール袋に甜菜グラニュー糖を入れ飾り砂糖にしますと飛び散らず満遍なく飾る事が出来ました。
完成ですね!もそっと水分を飛ばす事に致します。
残りました果実は砂糖漬けにしておきますと家人が味わってしまいました。 では、進んで作るかは?ですね!そこがXとYの違いに現れているようです。
悪戯に果皮を器にしましたゼリーを仕込みました所、好評で果実のプチプチ感も味わいたいと家人が申します。
頼まれれば作ってしまう隠居人。果実を加えて仕込みゼラチン量は説明書通りでしたが固めになってしまいました。難しいものですね? ピールを味わった娘が、オランジェットが良いと申します。 となれば再度仕込まなければなりません。途方に暮れる隠居人でした。