修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2016.01.28【Vol.1312】
晦日蕎麦を打つ前に蕎麦汁の準備を進め寝かさねばなりません。何かと気ぜわしい年の瀬となります。
その前から材料の手当をしておきます。蕎麦用の厚削された混合節(本枯節・宗田節・サバ節)は築地と申しましても市場より離れており、勝ち鬨橋を渡りました鰹節センター原商店でした。しかし廃業し販売の取り次ぎを任された川瀬商店で手当てします。味醂は甘強酒造の昔仕込み、醤油は蕎麦専用に仕込まれたそば膳を神保町の問屋豊島屋さんで手当てします。
袋を開けますと良い香りが漂いより旨みを引き出すために混合節を細かく致します。
香りが漂うと寝ていた愛犬クイーポはむっくりと起き出し目で訴えるのです。
年に一度の出番であります寸胴鍋で煮出すこと1時間。
昨今の蕎麦店は手を掛けず出来合いで済ませ勝手口に空いた一斗缶が転がって居るようです。蕎麦友の中には500gの混合節では多すぎると本枯節・宗田節・サバ節を3者に分けて使用する方もおるようです。
漉し布で漉します。
香り良い琥珀色の1番出汁が取れました。
1番出汁だけでは勿体ないですので2番出汁を取り煮物・雑煮の出汁と致します。
味醂200ccを煮きり三温糖200g、コクを出すのに沖縄産黒糖を一かけ加えます。
そば膳900ccを加え沸騰寸前で火を止め返しのできあがりです。
返し1に対し出汁3で割り、完成した蕎麦汁は少し甘めに仕上がりました。
辛めより甘めの方がご近所の奥様方には好評で、出来上がった直後より、一晩寝かしますと風味も変わります。
蕎麦友の方々は最後に薄削りを加えたり、鰹節粉を加えたり独自の手前汁を仕込んでいます。