修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2016.01.29【Vol.1313】
目につくネジを緩めていたらヘリコイドが抜けてしまい元に戻せないと助けを求められてしまいました。ヘリコイドは外・中・内で構成されています。そしてそれぞれに複数の線条が刻まれており組み立て線条を探らねばならないのです。
抜いてしまったヘリコイドを納めるには、初期値に戻さねばなりません。
バヨネット環・反射防止筒を止めている各々の3本ネジを外し、分離します。
3本のネジを外し、バヨネット台座を分離します。
絞り値作動環は絞り値環と赤○部で咬合しています。
2か所の直進キーも分離します。
危惧したとおり外と中ヘリコイド。中と内ヘリコイド線条の組み込み部の線条を痛めていました。
大きく痛めていませんのが救いでしたが、それぞれの線条数十本を気長に修正したのです。
先ず外ヘリコイドへ中ヘリコイドを組み込むことが出来ました。未だ若干の違和感ありでグリスに研磨剤を混ぜて再修正を致します。
中ヘリコイドに内ヘリコイドを組み込んだ際の位置を確認します。
内ヘリコイド側に絞り機構部が組み込まれています。そして絞り値を変化させる絞り値カム環の突起(赤○部)があります。
又絞り羽根を開閉させる絞り作動環の突起(黄色○部)があるのです。
と言うことは中ヘリコイドと内ヘリコイドを組み込んだ際に絞り値作動環と絞り値カム環を咬合させなければならないのです。
ですので、目安で中ヘリコイドと内ヘリコイドを何度ずらして組み込むか?を確認したのです。
外ヘリコイドと中ヘリコイドの組み込み位置に仮説を立てて終端位置から1回転反転させ仮位置(中ヘリコイドへ黒線を付けました)とします。そして、前の画像で目安とした角度で中ヘリコイドに内ヘリコイドを組み込みました。
内ヘリコイドを適切な線条を組み入れることで絞り値作動環と絞り値カム環は咬合させる事が出来ます。同時に直進キー溝も適切な位置になり直進キーを取り付ける事が出来ました。
距離環を組み込み近距離側に回した時、ヘリコイドが直進キーから外れないことを確認します。そして、尚且つ無限側に焦点調整用に送り込まれる「のりしろ」を残しておかなければなりません。
本体に取り付け無限合致を確認いたします。
幸か不幸か?僅かの修正で無限を合わせる事が出来、焦点を結びました。