修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.12.05【Vol.1169】
杉が多い檜原村、人家の周りには落葉樹が見られ化粧の出来映えを競っていました。
元禄年間に発明された千歯扱きの歯は竹製で後に鉄製に替わり大正期に足踏み脱穀機が登場されるまで使用された農具です。近所からお借りしたのは鉄製歯ですので明治時代と思われます。作業性が画期的に上がったとは言え時間当たりの処理量は約45把で体力勝負ですね!
隠居人、旧津久井町根小屋でも蕎麦作りを行っています。
昨年は足踏み脱穀機を利用しましたが、足が攣りましたのと体力の低下の著しさを体験したのです。
加齢と共に山を下る如き体力低下は何ともしがたく電動脱穀機を手当てしてしまいました。仲間は、お大尽と揶揄しますが、体力勝負で短く野良仕事を楽しむか?機械を導入して長く楽しむかと思います。導入したとは言え出番は数える程しか無いと思います。
その時は、隠居人の遺品としてお使い頂ければと思います。
電動と言うからには電力が必要なのは当たり前ですね!動力源をどうするか?
たかさご会の世話役さんの発電機では容量不足、元檜原村助役さんがあれこれ手配頂いたのです。容量ある発電機は重いですので運んできて頂くのも大儀です。
其処で新宿区から移住しました方に御願いしますと快諾頂き、モーター音を谷間に響かせたので御座います。
お礼は、たかさご会世話役さんの十割り蕎麦・綱島蕎麦友の出汁巻き玉子・隠居人の津久井在来味噌に手作りジャムをお渡し致しました。
大まかに葉と茎を取り除きます。
いよいよ一年間の成果の時を迎える唐箕に掛けます。
参加者声無く排出されたゴミを見つめます。ゴミの大方が蕎麦粉にならない未成熟でした。
小昆虫が数を減らしているのか?うどん粉病の影響なのか?またまた長年蕎麦作りをしてきた為に土地が痩せてしまったのか?
蕎麦粉となるべく選別された玄蕎麦は僅かな量でした。
一同消沈の中、後片づけを致します。
麻袋を満たすことは出来ませんでした。
年々栽培環境は難しくなりつつあるのも一因かと思います。
美味しい蕎麦を味わいたいと檜原村での蕎麦作りをどう立て直して行くのか?大きな課題を残しました。
全ての作業が終わりました頃、陽は山に遮られてしまいました。しかし上空の雲は茜色に染まります。
恒例となれば数馬の湯に浸るのです。
消沈した参加者は無口となり、湯に浸る余裕も無く山を下りることになりました。