修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2015.10.16【Vol.1281】
軍艦部の外し方については大きな問題がありませんから割愛致します。
只、底部のセレン&シンクロリード線の捌きを致しませんとゾーンフォーカスやASA設定の回転で断線させる恐れと、踏みつけたりしますから注意が必要です。
PEN EE2とEES2の分解に注意しなければならないのはゾーンフォーカス機構が組み込まれているいか無いかです。
EESでもEES2も同じ機構です。被写界深度が深いとは言え無限位置出しをしなければなりません。
1)ドーンフォカースを遠景に合わせ、社名環に合わせ回転前レンズにペイントで印を付けます。(画像はmade in japan )inのiに合わせて印を付けました。組み込みの際に若干のズレが生じましてもレンズの焦点が深いので問題が起きないと考えます。
2)社名環を分離した後、前レンズを時計方向に回転させ終端位置にズレ量を確認します。
3)EE2の場合はゾーンフォーカスの機構が有りませんので、ゴムアダプターで社名環を外すのみです。
回転前レンズを外しますますと、セレン&手動絞り値環を固定している3本のネジが現れますので外します。
左右の擬皮を剥がし、両者の貼り板を分離します。
シンクロターミナルが取り付けられている張り板の裏面にホットシュー&シャターシンクロ接点に接続されている差し込みリード線が取り付けられています。
覆い紙の接着をエチルメチルケトンで緩め剥がします。
赤○部2本ネジを外しますと電流計が分離され、リード線で繋がっているセレン部と一体で外れます。
フィルム室側より4本ネジを外しますと、本体からシャター制御部が分離します。
3本のネジを外し、シャター制御部から絞り羽根室を分離します。
後レンズを外しますと、絞り値組み品を止めている3本ネジが現れます。絞り羽根組み品を分離しますと絞り羽根が動作するようにスペサーが入っています。
後に仕様変更により、絞り組み品自体に打ち出しの突起仕様となり省かれます。
組み込みの際③スペサーを先に組み込み、①②のスペサーは脇より滑り込ませます。
絞り羽根に油分の湿潤やカビにより張り付きますとセレン受光素子に当たる光を遮りましてもシャターが切れる症状になります。この症状は分解せずとも外観から絞り羽根の作動状況を確認できます。絞り羽根を清掃するには絞り値作動レバー群を外すことが安全です。絞り羽根の変形に注意が必要ですが、簡易法として絞り値作動レバー群を分離せず、絞り羽根作動ピンから注意深く逃がせば良いことになります。
Part2へ続く・・・