修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2015.10.02【Vol.1274】
HEXAR f=50mm 1:3.5 の相談を受けました。
前群レンズを外したらピンの様なものが落ちて来て、絞り値が開閉しないと言うのです。
嫌なネジが損傷したものです。
当然と申しましょうか!同じネジなど持ち合わせていません。微かな願を込めて在職時代保存しておりました雑ネジから探す事にしました。
少しずつ掌に取り、似た形状を探します。
8本のネジを選びました。損傷した絞り値作動軸径は1.4mm、途中からネジ切りがされていません。
ダイスで1.4mmにネジ径を合わせます。ネジ切り位置から先を如何に細くしていくかです。
ダイスは調整ネジで若干ネジ切り径を調整できます。
ダイスの調整ネジを戻しますと間隔が狭まります。僅かずつ調整ネジを緩め細くしていきます。何とか絞り値作動軸が作れました。
ヘリコイド側の剣先ネジ(赤○部)を緩め鏡筒部を分離します。
絞り値作動軸ネジと絞り値クリックネジを外し、絞り値環を分離します。
押さえCリングを逃がし、台になるようゴムアダプターで補助します。
そして絞り値作動環に絞り羽根を乗せたまま分離します。
順番に絞り羽根を並べベンジンで脱脂しまして元に戻します。
ヘリコイドも異物等が混入していますので無限制限ネジを外し、終端位置を確認しておきます。
近距離制限ネジを外し、分離します。単純な回転ヘリコイドですので問題は起きません。
スポンジにベンジンを湿らせ線条を清掃します。