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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2015.08.21【Vol.1260】

HEXANON AR 50mm F1.7 編

HEXANON AR 50mm F1.7 編

真菌花を咲かしてしまったようです。気温高く、湿度も高く、至る所でカビが成長し、胞子を放っています。真菌の種類により胞子を吸い込むと、肺炎の元になりますから注意が必要ですね!加齢による免疫力の低下は、レンズ掃除も命がけです。
社名環をゴムアダプタで外し、前環を固定している3本の剣先ネジを外し、反時計方向に回しますと外れます。
化粧環はゴム板の摩擦を利用し、反時計方向に回し外します。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

距離環が抵抗なくスカスカな動きは、距離環を固定している3本ネジが緩んでいました。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

測定機でレンズの無限位置を合わせます。
何も測定器が無くてもカメラ本体に取付け無限合致を探れば代用できます。
後にヘリコイドグリス交換を致しますので無限合致を合わせておきます。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

前群レンズを外しますと、絞り羽根室を固定している押さえ環が現れ外します。
そうしますとヘリコイド部より絞り羽根室を分離する事が出来ます。
絞り羽根室を組み込む際はヘリコイド部にあります絞り値作動環と咬合させる事が必要になりますので注意します。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

4本のネジを外し、レンズバヨネット環を分離します。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

HXANONの構造上ヘリコイドを分解するに絞り値環を外さねば直進キーを外す事が出来ません。その為には絞り値環を外す必要があります。
1)絞り値環クリックの鋼球が2か所あります。芋ネジ・コイルバネ・鋼球と外しておきます。
2)開放絞り値レバーを外します。点線の様にスプリングが作用してありますので、一端を逃がしてからネジを外しますと、花火の打ち上げを防ぐ事が出来ます。
  要はスプリングが作用している状態で外す事は危険なのです。
  スプリングの一端が掛かっている制限ネジを外します。
3)AE固定釦もスプリングの一端を逃がしてから外します。
4)絞り値環を反時計方向に回しますと分離できます。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

無限位置にて距離環を固定している3本のネジを外し、分離します。
分離後、被写界深度刻印に合わせ中・内ヘリコイドへ卦書きを入れます。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

直進キーを固定している2本ネジを外します。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

直進キーが外れましたので中ヘリコイドは時計方向に回転させ終端位置となります。
同じように被写界深度刻印に合わせ中ヘリコイドへ2本の卦書きを入れた後、反転させて外ヘリコイドと中ヘリコイド(内ヘリコイドと共に)を分離させます。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

グリスで手が汚れますから、事前にスポンジにベンジンを含ませ清掃をしておきます。
内ヘリコイドを反時計方向に回しますと終端位置となり、先に無限位置の卦書き線に合わせてペイントで印を付けます。
何故、ペイントでとなりますが、内ヘリコイドには前環の線条が切ってありますからベンジンでは溶けないペイトにするわけです。

HEXANON AR 50mm F1.7 編

外・中・内ヘリコイドはベンジンを含ませたスポンジで清掃が終わったところです。
新しいグリスを塗布して、元来た道を引き返します。

隠居人 田口由明

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