修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2015.05.29【Vol.1231】
二眼レフは構造上の理由から好みでは無いのです。擬皮がビニール製ですと経年変化で硬化し、剥がしますと破損して細かく割れてしまいます。
ドライヤーで加熱しながら剥がしましても元に戻すのは至難であり、型取りして新規製作をしなければなりません。その点、動物皮は安心です。
撮影用レンズの焦点具合はレンズコリメーターで誤差を測定できます。
では、焦点用のレンズは目視で調整できますが、誤差が大きすぎます。
焦点板が硝子製でしたので試みとして水を接着剤代わりとしてアルミホイルを貼り付けて反射率を大きくしてみました。
レンズコリメーターの像が鮮明に見え値はゼロに近い物でした。
焦点レンズにカビやクモリがある場合に硝子製焦点板なら使えますね!
プラスティック製の場合は、傷に繋がる恐れがあるので使えません。
擬皮を剥がしますと、スカートと呼ぶカバーとフィルターを取り付けるバヨネットカバーを分離することが出来ます。でも、このままではシャターセット釦が邪魔をしています。
ナットで固定してあるシャターセット釦を外さなければなりません。
シャター秒時設定環釦に変形が見られ作動させることが出来ませんでした。
シャター秒時設定環を分離し、修正を致します。
シャター秒時設定環の曲がりを修正したことで軽く作動することが出来ました。
ついでにシャター自体も手を入れることとし、分離します。
絞り羽根に油分の湿潤があり、脱脂しました。
秒時機構部も汚れを洗浄し、しかるべき所に注油を致しました。
洗浄した減速歯車組み品にはアストロオイルを注します。
後は帰り道を急げば完成です。