修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.05.30【Vol.1102】
先にカツオのブレザオラ風を仕込み新しい味わい方を知りました。
次はと申しますと牛肉で仕込むイタリアのロンバルディア州ヴァルテッリーナ地方原産の塩漬けの牛肉を熟成させた生ハムのようなブレザオラに目が移ります。
でも失敗すれば小遣いが軽くなった以上に残念でした。となってしまいます。
そしてアップルビネガーを求め新宿伊勢丹へ寄りました折り、イベントエリアで創業百年余近江牛一筋、大吉商店のブロック肉を見つけてしまいました。
其れは赤身の肩から腕にかけての部位「とうがらし」で別名「とんび」赤身の王道的な部位でユッケやタタキで使用されるとの事。重量も手頃、挑戦しなければ先に進めないので求めてしまいました。
外観を洗い水分を拭います。表面にスジや脂身が在る場合は削ぎ落として下処理をしておきます。
肉片にホークで穴を開けると肉汁が出てしまうので賛否両論があるようですが、試みでブスブスやってしまいました。
チリ産赤ワイン(802円)に埼玉菜園産ローズマリーを加えて漬け込みます。
ワインに含まれる化学物質の一種アルコールが強力な脱水作用をして、余分な水分を吸収、旨みを増加させるものと思います。お酒を楽しんだ後に訪れる喉の渇きと同じですね!
漬け込む時間は如何ほどが適正なのか分かりませんが、一晩漬けこみ取り出した所です。
カツオの場合と同じように外観がワイン色に染まっています。
軽くキッチンタオルで水分を拭いました。
1)最初に重量比1%の砂糖を擦り込みます。今回は自宅で常備している三温糖を使用。
2)重量比5%の瀬戸の粗塩を全体に擦り込みます。
粒黒胡椒を手動ミルで挽きました。自宅のは小型です。量多く粗挽きするには大変でしたね!往復運動で手首が腱鞘炎になりそうで電動ミルが欲しくなります。
調べますとお値段がピンキリ。働き量に大きな違いが出るのでしょうか?
お奨めの機種がありますでしょうか?
胡椒は古くから食材の長期保存に利用されていたのは防腐・抗菌・抗虫作用によるものです。
ブレザオラ作りに加熱調理をしませんから腐敗や変質の懸念を胡椒が拭ってくれるものと思います。肉片が隠れる程に粗挽き胡椒を塗りつけます。
ジップロック袋に入れ、出来るだけ空気を抜き冷蔵庫で3日間寝かしました。
4日目にジップロック袋から取りだし冷蔵庫で熟成乾燥させるのですが、水分を抜くに高価なピチットシート(脱水シート)を利用するそうです。
高価な上に脱水シートは水分を抜きすぎる気がしますからキッチンシートのみです。
ですから、数時間おきにキッチンシートが濡れていないかの確認をし、取り換えねばなりませんでした。都合3回取り替えました。熟成乾燥にもそっと時間を要すようです。
キッチンシートを取り換えているときに気が付いた事があります。肉に水分がある内の胡椒は張り付いています。乾燥が進むと共に胡椒がパラパラと剥がれました。
乾燥状態を見極める一つの目安になるのでは無いでしょうか?
でも、心配と食い意地が張っている隠居人、熟成一日目の夕刻に味わっちゃいました。
腐敗臭はありません。失敗では無いようです。
肉の旨みと仄かな赤ワインの風味後にスパイシーな黒胡椒風味が口中に広がりました。
この時点でも美味しく味わえました。更に二日程熟成乾燥させることにしました。
待ち遠しかった一週間でした。中心部に生肉の色味が僅かに残り一番良い熟成度です。
周辺部は乾燥と熟成でやや黒みがかっています。牛肉の生ハムと言ったところでしょうか?
質感は水分が抜けた分固めで弾力がありました。My包丁グレスデンを持ち出し薄めに切り分けます。中心にはルッコラを座布団として、水で戻したドライマンゴーとアボカドを鎮座させ、手作りマンゴードレッシングで味付けを致します。
1枚目は生のまま頂きます。胡椒も一緒に熟成したのでしょうか?辛さが控え目になっていました。2枚目はマンゴーとアボカドを包み味わいました。
もう一品は、非加熱のローストビーフと考えれば、粒マスタードが合うはずとクラッカーにアボカドスライスを敷きチーズと合わせてみました。
4者が結合した風味となり洒落たオードブルになりました。
ブレザオラはイタリアの郷土料理となればワインはイタリア産ですね!
最も相性が良いと言われるのがネッビオーロと言う品種の赤ワインだそうです。
残念ながら持ち合わせ無しでした。
次回は、もそっと大きなブロックで仕込みたいと思います。