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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2014.05.30【Vol.1103】

ライカM3(グッタベルカの補修)

グッタペルカ

グッタペルカは手に馴染む感触は宜しいのですが、剥落する悩みがあります。
大きく剥落してしまいましたね。修復は大変なので合皮と交換するのが得策です。
でも感触は大きく乖離してしまうし、見た目がね。。。が所有者の偽らざる気持ちです。

天然樹脂

大方は破棄してしまいましたが、一部を保存しておきましたグッタペルカ。
グッタペルカは(Gutta Percha)はマレーシア原産のアカテツ科の樹木および樹液から採れるゴム状の樹脂なのです。
調べてみますと天然樹脂には多くの種類があるのですね!
http://www.nlinoxin.co.jp/page8.htm
時を経たグッタペルカは硬化しています。本体に貼り付けるに接着剤は何を使用していたのでしょうね?残された接着剤の色味は茶色で加熱するとベタベタするところから膠(ニカワ)と推測するのですが。。。
膠(ニカワ)とは動物の皮・骨等から作られる接着剤で洋の東西に関わらず利用されてきました。但し不純物が多いと独特の臭気を発生させます。主たる主成分はゼラチンです。
M3で多発するグッタペルカの剥落は使用した膠(ニカワ)の品質が悪かったからでは無いでしょうか?

修復

欠損したグッタペルカを修復するには、全体を合皮と置き換えるか?他の個体から保存しておいたグッタペルカを再利用するかになります。
保存しておいたグッタペルカの形状は様々です。当たり前ですが、欠損部と整合性が無いのです。
ですからジグソパズル宜しく時間と根気で面を広げていきます。
その際の障害は硬化して脆いと言うことですね!柔らかくなれば作業性は良くなります。
試しに手元にある薬剤を試してみました。アルコール・ベンジン・塩化メチレン・シンナー・ケトン何れも溶けませんでした。
グッタペルカは熱可塑性ですからドライヤーで温めますと柔らかくなります。
加熱を止めると硬化状態になってしまう。だから温める。厄介ですね!

此処で製造時はどうだったのかと、推測したくなります。
先に本体に貼ったのでしょうか?そうなると外観部品を取り付けるに支障が出ますね!
となれば扱いやすい柔軟性を持ち合わせていたと推測するのが正しいのではないでしょうか?
グッタペルカから揮発消えた柔軟剤は何者なのか?
名探偵コナン君?及びシャーロックホームズ氏に捜査を依頼しなければなりませんね?

隠居人 田口由明

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