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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2016.09.16【Vol.1379】

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2 編(治具がないのです)

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

前環は3本の剣先ネジで固定されていますが、剣先ネジの宿命と申しましょうか!1本の頭が無くピンバイスで穴開けを致します。真鍮の材質が救いで中心を貫くことが出来ました。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

締め付け環を緩めるには専用治具が必要です。手持ちの治具では対応できません。
捻り王子さんに一捻りして頂くとありがたいのですが。。。
このまま手詰まりとなるのか?

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

手がかりを求めて化粧環・化粧板・後群レンズを外していきます。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

絞り値環を動かしますと4本のネジ頭が現れ、途中まで緩めても外れる気配がありませんでした。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

念のため絞り値クリックを外しておきます。
そう言えばタクマーは被写界深度環の下にヘリコイド部と鏡筒部を分離するネジが隠れているのを思い出し、被写界深度環を止めている赤○部3本ネジを外してみました。
結果、分離することが出来ました。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

結果、マウント部とヘリコイド部とに分離出来ました。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

思わぬ過失により内ヘリコイドが抜けてしまいました。
これは大変なことになりました。と申しますのも組み入れる際の目安、罫書きを入れてないのです。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

輪を掛けたように外・中ヘリコイドも動かしてしまったので、それぞれを分離しました。
被写界深度環は距離環の作動範囲を制限する役目を兼ねています。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

仕方なく外・中ヘリコイドを分離し古いグリスを洗浄し組み込んだ所です。
所が製造時か?その後に分解した際の目印か?の罫書きがありました。
でも何を基準にして罫書いたのか理解しがたく罫書き線が合っていないのです。
隠居人は無限位置と終端位置の2ヶ所を罫書きます。肝心なのは終端位置になります。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

兎も角、藁にすがる思いで過去の罫書き線を無限位置と仮定し組み込んでみました。
測定器で測ると無限が出ないのです。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

何をしても無限焦点が出ないのです。距離環を固定するネジ穴は90度です。
中ヘリコイド線条は7本ですから51.428度毎になります。
となりますと距離環の無限位置と中ヘリコイドの線条に差異があることになります。
中ヘリコイドに距離環を取り着ける位置を赤①から③と組んでは分解する作業を続けたのです。③で組み立てますと。。。

AUTO TELE ROKKOR-RF 100/2

測定器が焦点を結んだ事を知らせてくれました。
イヤハヤ頭も肉体も疲れましたね!
何しろ微調整が簡単にはいきませんでした。中・内ヘリコイドの線条傾斜の角度は高く前後の移動量が大きい。外・中ヘリコイドの線条傾斜の角度は低く前後の移動量が小さい。
おそらく外・中ヘリコイド位置で微調整する物とおもわれます。
その他にも種種組み込み位置を予め合わせておかなければなりませんでした。
専用治具で順次腑分けが出来れば苦労することは無かったと思います。
何時か再会いした場合は、専用治具を新調するか?休場したい民具です。

隠居人 田口由明

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