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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2016.12.23【Vol.1414】

ELMAR 50/2.8 編(グリス交換)

ELMAR 50/2.8

赤丸部の剣先ネジを外します。

ELMAR 50/2.8

乱反射防止環は差し込み仕様であり、水平に持ち上げますと抜けてきます。
ヘリコイド部より沈胴環を分離させないよう固定環を外しますと沈胴環より鏡筒部が分離されます。

ELMAR 50/2.8

ヘリコイド部と沈胴環の間にフエルトが貼り付けてあり、両者の出し入れと隙間を埋めている役割をしています。
沈胴環を抜いてしまいますとフエルトの繊維が起毛し納めるに難儀します。
隠居人、抜いてしまった沈胴環を如何に組み込むか?を考え地元で先導環を製作して貰いました。

ELMAR 50/2.8

距離表示環を外し、制限釦を止めている2本のネジを外します。

ELMAR 50/2.8

内ヘリコイドを近距離側に回転させると隙間が広がり制限釦を外すことが出来ます。

ELMAR 50/2.8

内ヘリコイドを時計方向に回しますとこれ以上回らない終端位置となります。
外ヘリコイドに刻まれた被写界深度の中心部に合わせ内ヘリコイドへ罫書き線を入れておきます。
線条は複数切ってありますが、忘れても単純な回転ヘリコイドですので線条数分組み込み作業をすれば適切な位置に納まります。

ELMAR 50/2.8

経年変化で硬化し始めていたグリスです。

ELMAR 50/2.8

硬化し始めた一部のグリスはペイントを剝がした際と同じ様相をしていました。

ELMAR 50/2.8

押え環を外し、社名盤を外します。
絞り値定点環は赤○部の剣先ネジを外しますと捻ることが出来ます。

ELMAR 50/2.8

回転ヘリコイドですので絞り値の刻印は対面の二カ所にありますが、絞り値クリックの溝は一カ所のみです。
鏡筒部に鋼球とコイルバネが収まる穴は二カ所あり、間違えますと絞り値定点環と絞り値の刻印が合致しません。
当該レンズは、絞り値定点環と絞り値の刻印が合致していませんでした。
大切なのは、分解も組み込みも一つの作業を終えたら確認をしておく事です。
間違えたまま組み立てを続けますと作業が積算され、どの時点で間違えたのか分からなくなります。

隠居人 田口由明

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