修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2016.11.25【Vol.1402】
衝撃・経年変化により対物プリズム等が剥離している場合があります。
対物プリズム及び本体側の接着剤の痕跡を綺麗に掃除します。
対物プリズムは2個の直角プリズムの貼り合わせてあり、三角測量をするため中心部に反射用のビームスプリッターが蒸着されています。 と言うことは貼り付ける際に合致像を完全に合わせるか、近似像に合わせておかなければなりません。
対物プリズムを貼り付ける前に重要な作業があります。それは軍艦部を分離する際に外した摺動レンズの位置出しです。
摺動レンズは上下像の修正する役目を担っています。その性質から像が上下左右に移動します。この性質を失念して対物レンズを貼り付けてしまうと修正範囲外になってしまうのです。摺動レンズの刈り取り付け前に指で挟み回転させます。
画像では確認しづらいですが水平線が点線迄上下に移動するのりしろが確認できます。
確認したら上下の移動量の1/2分割で取り付けますと、後の微調整がやりやすくなります。
仮に「画像:対物プリズム剥がれ 4」「画像:対物プリズム剥がれ 5」でも良いですが、点線部を実線で取り付けたとしますと、どちらかの微調整のりしろを失うこととなります。