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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2016.09.23【Vol.1382】

OLYMPUS Pen-F(家康の肖像画)

OLYMPUS Pen-F

心得がありでペイント塗装をしたのであろう!しかし化粧皮は破れ傘。

OLYMPUS Pen-F

2本の欠損ネジはシャター機構部を固定してあります!
経緯は分からないが、譲り受けたと言う。代価の支払いには至らないと推測するが定かでは無い。この先、如何なる事態に遭遇するのか?新規中古店を開いた女将の涙を止められるのか。。。

OLYMPUS Pen-F

底板を外すと遊び人のネジが引っかかっている。
ミラー駆動連絡板は欠落している。後に判明したことであるが、取りあえず取り繕い組み立てた様だ!

OLYMPUS Pen-F

上カバーを外してみました。シンクロリード線は丸めてあり、接続していない。
巻上レバーのペイントするに巻上レバー押えネジを外そうとしたが、ねじ切ってしまった。ネジの仕様から大きな頭をしているが、ネジ切りが細すぎる。無理をすればねじ切ってしまいます。ドリルを立て、タップも立てて修復してある。多少の心得はあるようです。

OLYMPUS Pen-F

前板を分離すると恐れていたことが起きミラー駆動バネを変形させてしまったようだ。
カメラ修理教室でPen-Fを講義したことがあります。
シャター機構部のバネ力量の掛け方。そしてミラー駆動部にバネの力量を掛けるのですが、理屈を説明するに難儀し、シャター機構部もミラー駆動部も動作する力が必要な事を理解させ如何にミラー駆動部に力量を与えるか!でした。

OLYMPUS Pen-F

シャター機構部はシャター幕を回転させる中間歯車の欠損。減速歯車組品にも欠損部がありました。何でこのような状態に陥ったのか?
家康が三方原で信玄に破れ、命からがら城に駆け込み肖像画を描かせ、生涯の戒めとした心境ですね。
Pen-Fは限られた空間に納められていますので、緩み防止にカシメを多用してあります。
それ故、無闇に分解するのは禁物なのです。

OLYMPUS Pen-F

最初にやるべき事はスプロケット軸を交換する事でした。

OLYMPUS Pen-F

シャター機構部も移植を見つけ、治具上で動作調整を致しました。

OLYMPUS Pen-F

途中で投げ出しても仕方が無い破壊行為の連続でした。
残りの組み立て作業は上カバーを被せるだけになり、引き渡し時は笑顔を拝める事でしょう。

隠居人 田口由明

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