修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2016.11.11【Vol.1395】
勤務時代からのお客様が中古カメラ店を起業した。お手伝いで何度か出入りしていたら東京日本橋店と同じように「相談ボックス」が誕生している。
箱の中にPen-Sの廉価版f3.5が居るではないか。f2.8より個体数が少ない。
外観のアクセサリーシューに破損が見られ、シューカーバーは寸法違いで糊付けしてある。
シャターは閉まることを知らない状況です。何処まで破壊されているのだろうか?
シャターの閉まることを知らない原因を探らなければならない。とレンズ周りを腑分けしていく。相変わらず開いたままです。強制的に解除し、巻き上げて、レリーズすれば閉まることを忘れている。原因はレリーズ釦、深部にあるストローク調整ネジを理由無く触ったようだ!長さを再調整いたし問題解決。
シャター羽根の開閉にルーズさがあり、シャターを降ろして見ました。
時を経たのであろう。Mバネアーム軸の油分が揮発し錆が出ている。
Penシャター系最大の原因箇所ですね。
薬品で錆を処理し、注油してMバネアームを組み入れます。
シャター羽根開閉環の滑りにも若干の粘りが見られるので洗浄して二硫化モリブデン粉を塗布します。
ファインダーを覗くと視野枠が見えない!理由は分からないがミラーが欠落している。
小さく切り分けたミラーを貼り付ける。
巻き戻し軸受けが逆さまに組み込まれていた。
枚数計窓も剥がれている。エポキシ接着剤を使用してあるので無理に剥がすと破損します。
根気よく接着剤をカッターで削ぎ落としていきます。
綺麗に剥がすことが出来ました。上カバーに付着している接着剤も綺麗に剥がしておきます。
組み立ててしまいましたので違う機種です。
シャター速度環・シャター指標環に汚れが見られます。
特にシャター速度環のローレット部に汚れが沈着しています。薬品で浮き上がらせ歯ブラシで掃除をしますと綺麗になりなります。
日頃は、娘からの影響で鹿児島芋焼酎を楽しんでおります。
起業して間もない中古店を応援しています。応援はありがたいが気が引けますからと、代価は宮崎産芋焼酎を受け取って来ました。
御幣の名も御利益がありそうで、味わうと美味しいのです。他県にも美味しいお酒があることを知った次第です。