修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.09.26【Vol.1144】
外観を観察するも締め付け環で鏡筒部をヘリコイド部に固定はされていないようです。
となると、Sマウントニッコールと似た設計思想なのか?
ヘリコイド部を握り、鏡筒部を反時計方向に捻ると分離しました。
4本のネジを外し、距離環を分離しました。
無限制限ネジを外し、内ヘリコイドを時計方向に回転させると終端位置になりました。
終端位置を探ることは、組み込みに重要です。念のため卦書きを引きます。
近距離側に回し、ヘリコイドを分離したいのです。所が抜けませんから距離計連動カムを外してみました。
結果、距離計連動カムは近距離の制限の役目はしていないようです。
他にヘリコイドを抜くに障害となっているのは。。。。?
被写界深度環を観察しますと、ネジが1本ありました。
外しますと、外・内ヘリコイドに分離することができました。
スポンジにベンジンを含ませ線条を清掃いたします。
若干粘度があるようですが、滑らかな回転をもたらしています。
所が重い鏡筒を組み込みますと回転に偏芯が見られます。
再度グリスを洗浄し、モリブデングリスに変えたのです。
モリブデングリスは油分に二硫化モリブデンを練り上げていますから、モリブデン粒子の耐荷重性能により鏡筒の負荷を受け止めているからと思います。
ヤットコの手元を工作して口径の大きな締め付け環を緩める治具といたします。
締め付け環を外します。
絞り値環を開放位置にすると鏡筒から分離することができました。
前群レンズを外すことができます。
絞り羽根に油分の湿潤や不具合が見られません。若干のクモリの所見あるレンズを清掃して完了といたしました。