修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.06.13【Vol.1107】
現役時代は手掛けることもなく、唯唯面倒だね!の事一言でしたHXANON。
先日止むに止まれず手掛けました「HEXANON 50/1.2 編(願い下げの仕様)」
がありました。ヘリコイド自体は、それ程面倒でもありませんでした。
そこで道筋が付きましたので眠りに付いておりました個体を手入れすることにしたのです。
名環をゴムアダプターで外しました。
社名環はネジ切り使用ではなく、2ヶ所の爪で固定してありました。
(1)~(3)のネジを外し、前環を分離します。
(1)~(3)のネジを外し、前群レンズを外します。
3本のネジを外してバヨネット環を外します。
組み立て時は、バヨネット環と絞り値作動環(赤両矢印)と咬合させます。
鋼球がありますので注意しながら絞り値環を外します。
無限位置にて(1)~(3)のネジを外し、距離環を分離します。
完成後カメラ本体に取り付け無限合致を確認します。
もしズレてしまった誤差の修正は、距離環を止めている3本のネジを緩め、中ヘリコイドを繰り出すか、繰り下げれば修正が出来ます。
無限位置にて外ヘリコイドと中ヘリコイドに罫書きを入れます。
直進キーを外します。
直進キーを外したことで内ヘリコイドは自由に回転します。
仕様的に内ヘリコイドは前後両方向に抜けてしまうようです。抜けてしまうと組み込み位置出しが面倒になります。
そこで中ヘリコイドを跨ぐように金床を置きます。そして内ヘリコイドを複数回、繰り入れ、繰り出しを繰り返し、重い金床に当たり中ヘリコイドと水平になります。
水平になったところで中・内ヘリコイドに罫書き線を入れます。
中ヘリコイドを時計方向に回転させ、無限位置を1回越えて終端位置となりました。
終端位置を表す2本線を外ヘリコイドに記します。
終端位置を記しましたら外ヘリコイドから中ヘリコイドを分離します。
外・中・内ヘリコイド単体に分離できました。
絞り羽根室は、分離すると絞り開放設定をしなければなりませんから分離はしませんでした。スポンジにベンジンを湿らせ各線条を洗浄する訳ですが、絞り羽根室に流れ込まない様注意が必要です。
重ねて記しますが、スポンジに過分なベンジンを湿らさない様注意が必要です。