修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.10.31【Vol.1158】
広角レンズは、洋の東西に拘わらず本体側距離計の測距作動範囲とフランジングバック(本体マウント面からフィルム面の距離)とに機構的な乖離が見られる。それ故、それぞれを満足させる複合構造になっている。
と言うことは、分解組み立てには注意が必要と也、それぞれの組み込み位置を探らねばなりません。
1)無限制限ネジを外し、焦点用ヘリコイドを時計方向に回し終端位置を確認します。
2)マウント・焦点用ヘリコイド・距離計用ヘリコイドに赤塗料で印を付けます。
其れでは話を元に戻し、腑分けをしていく事にします。
絞り値&社名環に開けられている穴にドライバーを差し込み、剣先ネジを外し、絞り値&社名環を反時計方向に回し、若干緩めておきます。
遮光環はねじ込みでは無く押し込み仕様でした。
締め付け環を外します。
Elmar f=3.5cm 1:3.5の場合、ヘリコイドから鏡筒を分離しませんと、絞り値作動環突起が邪魔をして絞り値&社名環を外すことが出来ない仕様です。
組み込む時に絞り値&社名環を仮組み込みしておきませんと、再度分解することになります。
前・後群レンズを外すことが出来ました。
大きな無限制限ネジを外しますと焦点用ヘリコイドは無限停止位置を僅かに越えて終端位置となります。
焦点用ヘリコイドに取り付けられている直進キー2個を外します。
取り外した直進キーは同位置に戻すのが原則です。又、ネジの締め付けで直進キーが傾きますのでヘリコイドを回転させ様子を見ながら両直進キーのネジを徐々に締め付けて行きます。
終端位置を確認しましたので焦点用ヘリコイドを外します。
終端位置を確認して無いのは合致用ヘリコイドです。良く観察しますと鏡筒側には抜けてしまわないようでした。
合致用ヘリコイドを半時計方向に回しますと終端位置となります。丁度、制限ネジを外したネジ穴と赤印が合致しましたから新たな印を付けません。
目標となります赤ペイントを落とさないよう洗浄し、新たなグリスを塗布して組み立てました。