修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.03.07【Vol.1067】
Summarit 50mm f:1.5を分解するには2番ドライバーの先端を切り落とした工具が必要になります。
鏡筒を位置固定している化粧環にある3本のネジを緩めます。緩めますと鏡筒は無制限に回ります。
距離環の飾りネジ2本の内、1本を外します。
作りました工具を距離環の穴に差し込み、鏡筒を回転させます。すると鏡筒締め付け環にある穴に落ち込むのが分かります。
落ち込むと鏡筒が回転でき無くなります。工具が動かないよう押さえながら鏡筒部を反時計方向に捻ります。
ヘリコイド部と鏡筒部に分離されます。
化粧環の凸部は制限環の凹に入っています。
制限環は固定されています。ですから、鏡筒部を分離するには化粧環の3本ネジを緩める必要があります。
押さえ環を固定しているセットネジを外し、押さえ環を反時計方向に捻ります。
押さえ環を外すと鏡筒締め付け環が外れます。外すことで鏡筒締め付け環の穴が確認できます。F値を明るくした分、鏡筒締め付け環が見えない内部構造になってしまいました。
鏡筒締め付け環自体は回転しませんが、ヘリコイド部が回転するので両者の間にグリスが塗布されています。経年変化で塗布されたグリスが固着して“ヘリコイド重い”の症状になるもう一つの原因です。
マウント側より3本のネジを外すと制限環が外れます。
制限環が外れたことで距離環を時計方向に回すと、少し動き終端位置になります。
終端位置の確認をしたら、反時計方向に回します。
分離された外・内ヘリコイドの線条を洗浄します。個体によりましては線条の底部に固着したグリスが残りますので十分に洗浄を致します。
殆どの個体が白内障を呈していると思いますが、ソフトコティーングですので清掃には細心の注意が必要です。