修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.08.29【Vol.1134】
OM-ZUIKOは腑分けするに緩み防止接着剤がアルマジロの甲羅の如き攻め手を拒みます。
それ程使用しなくてもと思います。
一度カメラ修理教室の題目としたところ、溶剤で緩ませるに苦労したのです。
ですから畦道で会ってもZUIKOを避け、田に入る方が隠居人の手首に良いのです。
今回の個体の社名環は素直に外すことが出来ました。
前環を固定している剣先ネジを緩め外します。
前環が外れますと、指標環・絞り値環・前群レンズと分離できます。
(1)~(3)のネジを外し、バヨネット環を外します。
赤(1)~(3)ネジを外し、バヨネット座を外します。
赤Xネジは直進キーを固定しているので触りません。
白(1)~(3)のネジを外します。
絞り羽根室が分離出来ました。
組み込みの際、座金(1)~(3)の組み込み忘れをしますと覆い板が撓み絞り羽根の動きを阻害します。
絞り羽根を除きますと、油分の湿潤が見られます。
説明上、絞り値作動環が上下逆さまになっています。
絞り値カム環は、大きなCリング形状になっており、変形させないよう開き、外します。
絞り羽根に油分の湿潤が見られませんでしたが、最終段階まで腑分けしますと連絡板部の湿潤が酷いですね。
この部分の油分が連絡板の動きを阻害して、ナマケモノの動作と同じようにスローな動きに繋がりました。
全部品をベンジン浴させまして帰り道を急ぐことにしました。