修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.05.23【Vol.1099】
時代は合致するか分かりませんが、手持ちの本体に取り付けると絵になりますHektor。
広角レンズは焦点用&距離計用のヘリコイドに分かれた仕様ですので面倒です。
高齢の大山の大先生が体調を崩して心配です。
通常ならお願いしてしまいます。余り無理を言えませんから謎解きをしてみました。
Nikel Elmarですと反射防止環が挿しこみ仕様でした。時代的に同じような仕様と思い穴にL型にしたクリップを差し込み引きあげますと外す事が出来ました。
面白いのは後群レンズに製造番号が刻印されている事です。
溶剤(シンナー)で緩めて固定ネジを外しますと締付環が外れます。
鏡筒は固定されてありませんでした。締付環を外す際に鏡筒も回ってしまいます。
何らかの対策をして外さなければなりません。
Nikel Elmarの社名環はネジで固定してありましたが、Hektorは反時計方向に捻ると鏡筒と共に分離出来ました。
広角レンズは焦点用と距離計用ヘリコイド仕様ですので、念の為に無限位置で長さを測定しておきました。大凡14.6mmです。
ヘリコイドのネジ切り(線条)は複数の仕様のお陰で気持ち良い回転をもたらしますが、
組み込みを一条間違えれば14.6mmになりません。
直進キーを外します。直進キーを取り付けてあるのが距離計用のヘリコイドです。
直進キーの一方にマーカーで印を付けておきます。
無限制限ネジを外します。直進キーを外した事で焦点用のヘリコイドが終端位置まで動きます。
近距離制限ネジを外して反時計方向に回転させますと分離することが出来ます。
終端位置を確認してありますので、組み込み時の参考と致しました。
距離計用のヘリコイドを分離するに当たりマーカーで印を付けておきます。
時計方向に回転させますとレンズマウントに当たり終端位置となります。
丁度、制限ネジ穴と合致しましたので覚えておきます。
今度は反転して距離計ヘリコイドを分離します。
Lマウントヘリコイドは剥き出しですのでグリスに埃等が混ざりドロドロ状態です。
使い古しの歯ブラシを再利用してベンジンで良く洗浄致します。
洗浄後はグリスを塗布して組み込みます。
鏡筒から前群・後群レンズが分離でき清掃します。
絞り値設定に重さを感じましたが、余裕がなかったのでしょうね!絞り値カム環迄の貫通ネジ(赤○部、二箇所)の頭が削られていてドライバーが使えないので現状と致しました。