修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.04.04【Vol.1079】
締め付け環を外すとヘリコイド部と鏡筒部に分離します。
両者の間には個体固有の焦点調整環が入っています。
制限板を固定している3本のネジは手を付けない。
先に(1)と(2)のネジを外し、距離環を無限位置に戻します。それから(3)と(4)のネジを外し、直進キーを外します。
距離環を分離します。
内ヘリコイドは前後どちら側にも抜けてしまい終端位置を探れません。
そこで中ヘリコイド上に金床を置き、内ヘリコイドを回転させ中ヘリコイドと一線上になるようにして印を付けます。
中ヘリコイドを時計方向(赤点線矢印)方向に回転させると終端位置になります。
終端位置を確認する事は、複数切られている線条が正しい位置で組み込まれたことを意味します。
3者の組み込み位置が確認できましたので分離後洗浄します。
最初に株式会社パルピス製のグリスを塗布し回転具合を確認しました。
少し重いようです。
広角レンズは被写界深度が深いので置き焦点を使う場合がありますから、軽めより多少重めの方が扱いやすいですね!
外ヘリコイドと中ヘリコイドの咬合にはパピルス製のグリスを、中と内ヘリコイドは再洗浄後NPC社のグリスに替えました。
剣先ネジを外してから後群レンズを外します。
後群レンズの側面には先に外しました締め付け環のネジ切りがしてありますので、剣先ネジの閉め忘れに注意が必要です。
締め付け環を外し、絞り値を開放位置に設定すると絞り値環が外せます。
此処まで分解しなくても社名環を外すことが出来ます。でも前群レンズ大部分が鏡筒に残ってしまいます。
鏡筒側面の絞り値作動軸を外します。
Cリングを外せば絞り作動環が外せますが、掴み所がありません。