修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.04.25【Vol.1088】
社名環を外し、前枠を外して前群レンズを外すことが出来、順調な手順と思いきや!とんでもない仕様が待ち受けていました。
大手門からを諦めZUIKOの如く搦め手からか攻めるのか?
マウント環を外し、絞り値環を外していきます。
隙間から確認すると絞り値作動環と絞り羽根室が咬合しています。
絞り作動環を外すには押さえ環を外し、6個の鋼球を取り去らなければなりません。
仮に搦め手から攻めるとした設計ならば願い下げです。
何故ならば組み立てが面倒だからであり、製造原価も上がり、大きな問題は組み立て時間が掛かりすぎます。
裏付けを得るために外していき鋼球を中に落とし込まないよう磁石で吸い付けます。
結果は徒労に終わりまして元に戻し、大手門を攻めることにしました。
距離環を外して無限位置に罫書きを入れておきます。
大手門から攻めるとしても内ヘリコイドの内径より絞り羽根室の外径の方が大きいのです。
4本のネジを外しても絞り羽根室を分離できないことになります。
長考の末、4本のネジを外してみました。
すると内ヘリコイドが抜ける方向に回転するのです。
ではと、内ヘリコイドと中ヘリコイドの関係を確認せねばなりません。
内ヘリコイドを反時計方向に回転させると終端位置となり、中・内ヘリコイドの関係の確認が出来ました。
お~っ!!絞り羽根室を置き去りにして内ヘリコイドが抜けました。
おや~っ!絞り羽根室に直進キーが刺さっています?始めて遭遇する仕様です。
ヘリコイド制限環を外し、中ヘリコイドを時計方向に回転させると終端位置となり、両者の組み込み関係の確認が出来ました。
中ヘリコイドを分離しました。残りました絞り羽根室を分離します。
先に外しました内ヘリコイドを仮取り付けしました。
F値1.2の明るさを満足させるには絞り羽根室の内径を大きく採らなければなりません。
必然的に内ヘリコイドの内径に合わせますとf=1.2の設計が出来ないのですね!
そこで絞り羽根室に直進キー溝を設け2段ロケット宜しく内ヘリコイドを乗せ直進ヘリコイド仕様の設計としたようです。
だけどね!絞り羽根室に問題が生じた場合は、常にヘリコイドを分離しなければならないのです。面倒だよね!
東京FMシンクロのシティのアナウンサー堀内貴之氏は何とコメントしますでしょうね!
「僕は、こんな面倒くさいのヤダナ~!直したくないよね~ぇ!」と甘い声でマイクに向かいますかね?