種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2014.02.07【Vol.153】
被写体探しをしている時に、特に注意深く観察したいポイントに光があります。光の強弱、当たり方次第で被写体の見え方は大きく変化します。もちろん、影の写真も光があるから撮影できるわけです。
そんな光を意識しながらカメラを持って出かければたくさんの被写体に出会うはずです。季節と時間によって太陽の位置は変化しますので、同じ場所でも時間帯を変えて撮影するだけで違いが現れるかもしれません。意外と日常気がついていないところの些細な変化が写真として面白いポイントになったりします。
また、決して太陽の光だけではありません。曇りや雨、夜でも街灯など人工の明かりがあります。それらが魅せるわずかな光が画面にコントラストを与えてくれるのです。どんなシチュエーションでも、何か一つテーマを決めて撮影に挑むだけで見つかる被写体は変わります。今日は必ずこれを撮影するんだというようにピンポイントの被写体に向かって意気込んで撮影することもあると思いますが、初めから「光」といった広いテーマにしておけば、今まで気がつかなかったものに出会えるかもしれません。
漠然と撮影するわけではありません。ちゃんと「光」という立派なテーマがあります。それを撮影者がどこまでが「光」というテーマに属するかは自由です。そうすることで自分だけが知っている、もしくはハッケンした光を感じる写真が撮影できるのではないでしょうか。