種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2014.02.28【Vol.156】
夕景・夜景撮影の話にも述べたように、気温の低い季節は空気が澄んでいて、夕景など遠方の景色を撮影するのに好都合です。また、5時頃と比較的早い時間から撮影を行え、11月、12月、1月に比べ陽が傾いていく時間もゆっくりになります。必ず太陽が出るとは限らず多少リスキーな撮影ですが、太陽そのものを大きく狙うのもいいですが、沈む直前や沈んだ後に残る夕焼けにも注目です。
撮影時は、刻一刻と変化する太陽の様子から目を離すわけにはいきません。雲が全くなく透き通るような空では太陽の光が強く届きすぎる場合もあり、感度を低くしてもシャッター速度、絞り数値の組み合わせの範囲を超えることがあります。NDフィルターを併用するなどの対策が必要です。一方、厚い雲の合間に見え隠れする太陽は、気がつくと思わぬほど低い位置に落ちていることなどがあります。方緯度を示すグッズなどもありますので、どの方角に太陽が沈んでいくかをしっかりと把握しておきましょう。
作例は、太陽が雲に隠れたものの、黄色く空を照らす日没直前の空の様子で遠方に富士山のシルエットが浮かんでいます。およそ500mm相当の焦点距離での撮影です。APS-Cサイズやミラーレスカメラのセンサーサイズであれば望遠側に有利に撮影できるのでおすすめです。
もう一方は、広角24mm相当で空を広く見せた作例です。太陽が沈んだ直後、雲が多く残るそらが紫やオレンジのグラデーションに変化しています。陽が沈んだ後の色の変化は急激なので特に被写体から目が放せません。露出や構図の他、カメラの設定を考える余裕がないほど変化していきます。このときの設定はWB太陽光、ピクチャースタイル(キヤノン)風景モードでの撮影でした。