種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2017.01.06【Vol.303】
イルミネーション撮影の際、光源から放射状の光芒を表現する際に昔からよくクロスフィルターが使われていますが、手元にクロスフィルターがなかったり、使いたいレンズの口径にマッチしたサイズのフィルターがない場合、例えば、規則正しい目を持つ細かい網目上のものをレンズの前にかざせば、クロスフィルターの代用となります。思い浮かぶものとして、柔軟性がある網戸の切れ端やシルクスクリーン印刷に使う網、台所用品のふるいなどが挙げられます。いずれもホームセンターや100円均一で揃う道具です。ただし網目が細かくなりすぎると、今度はソフトフィルターのような効果が現れます。代表的な素材で言うとストッキングが挙げられ、ストッキングの色(黒やベージュ)、メーカーによっても効果に変化が生じます。
それらの効果はファインダー上でも確認できますが、一度撮影し画像を拡大でしてみるとよくわかります。目の大きさで光芒の形が変わりますし、また網目の角度を変えれば光芒の出る方向も変わっていきますので試してみてください。
その他にイルミネーション撮影では多重露光や露光間ズームなどを使って撮影してみると楽しいでしょう。ピントを合わせたものと外したものを重ね合わせるだけで、写真をふんわりとしたボケが包み込むような表現もできます。露光間ズームを行うと、イルミネーションがあたかも目の前に飛び込んでくるかのような動きのある表現もできますし、少しイルミネーションの間に隙間があるなと感じた時にその隙間ズームによる光跡で埋めることも可能です。
ISO感度をあげれば手持ちで手軽に撮影できますし、見た目にも鮮やかで大変フォトジェニックなイルミネーション撮影に挑戦してみてはいかがでしょう。