種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2017.02.03【Vol.307】
まだ2月というのに、日中20度近くまで気温が上がるなど、寒暖差が激しい日が続いたりしたためか、梅がすでに開花している姿を見かけます。比較的早い時期に咲く黄色い花をつけるロウバイは見頃の時期ではありますが、今年は例年よりいくらか梅の開花が早まっている様子です。
通常都心部であれば2月半ばから3月初旬にかけて見頃を迎える梅。梅林のような大きな場所から、小さな丘陵地や寺社の境内、整備された庭園などで楽しむことができます。梅はピンクや赤、薄い桃色や白など淡い花の色のグラデーションと、濃い茶色をした枝とのコントラストが特徴的です。
花よりもランダムに伸びる暗い枝が最初に目に飛び込んできてしまい、どの部分を狙っていいか迷ってしまうことも多く、難しい花としてとかく敬遠されがちな梅の花ですが、まずは梅の木全体を狙うよりは小さく咲いた梅の花一輪から数輪をとらえてみるといいでしょう。
レンズはボケを生かした撮影ができるので望遠レンズをぜひ用意しておきたいところ。無数に伸びる枝の処理にも好都合です。マクロレンズでもいいのですが、離れた場所の梅を狙いにくいのでやはり望遠ズームが便利です。また、背景は暗いほうが梅の色をしっかりと濃く見せることができます。梅の花は小さい中に綺麗に配置された花びらと、無数の細かいシベが特徴ですが、陽の光によっては、それらシベ一本一本の影が花びらに落ちてしまいます。アップで狙った時にその影が目立ってしまうので、日陰や薄曇りの時に撮影しておくのも一つの案です。