種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2017.06.02【Vol.324】
梅雨入り前に公園や街中でいっせいに花を咲かせるあじさい。6月に入り道路端や民家の庭先でもその姿を多く目にするようになりました。あじさいで有名なお寺や観光地もあり、梅雨時期~夏の風物詩となっています。あじさいが見せてくれる白や薄紫、ピンク色は淡くキレイです。特に雨上がりや薄曇の光の中でその美しさが際立つのではと思います。また、聞くところによると生育とともに色が変化していくのも鑑賞の楽しみだそうです。
街中で見かけるあじさいは、中心部のシベを取り囲むように花がつくガクアジサイと鞠のような丸みを持ったホンアジサイの2つに大別されるようです。季節モノの花なので、桜や紅葉とおなじように毎年必ず撮影している花の一つです。
毎年のようにコラムにも書いていますが、今回はあじさい寺としても有名な千葉県の本土寺で撮影した花をモノクロにしてみました。淡いきれいな色は見えませんが、モノトーンでみせることで、微妙な色の移り変わりやグラデーションがより際立って表現されました。撮影時の天候は快晴でしたが、日かげ部分を多く見せたり、陽が直接あたって強いコントラストができてしまうアジサイは選ばず撮影しました。また、PCでの画像処理でわずかにコントラストも下げています。個人的な好みからいうと、青や紫系のあじさいよりは、薄ピンク系の色のあじさいを日陰のライティングで撮影したものが、ややねむい感じに仕上がってモノクロ向きなのでは思います。またマクロや望遠を使いボケを多く取り入れたものも柔らかく、ゆるやかなグラデーションをつくってくれるのでモノクロ撮影時にオススメです。