種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2017.03.17【Vol.313】
広葉樹、針葉樹など比較的背が高く公園などでよく目にする樹。今の季節は枯れ木となってしまう落葉樹の姿がよく目に付きますが、それら落葉樹が見せる枝ぶりなどに注目して撮影してみました。いよいよ見頃を迎え出す桜も代表的な落葉樹ですね。場所にとらわれることなく身近に撮影できるテーマとも言えるでしょう。樹の骨格とも言える枝の形は樹によって様々です。風の影響を常に受けながら成長しているからでしょうか、ある特定の方向に枝が流れて伸びているようにも見えます。それらは葉っぱが生い茂っている時には決して見ることのできない樹の姿です。
撮影時はPLフィルターを使用して空のコントラストを調整するのはもちろん、曇天であれば雲の形や配置に注目して撮影してみるといいでしょう。背景にビルなど、自然と対比させる様子を入れてみるのも一つの手です。そして広角レンズや標準ズームで樹の枝の形をあますところなく見せる一方で、枝先にクローズアップしてみるのも面白いので、望遠レンズを使って撮影してみるのもオススメです。高く伸びた幹や枝の間から見える逆光の太陽でシルエットを形作ってドラマチックな表現にしてみても面白いものです。
また視点を変えて、幹の表面である樹皮を撮影してみてもいいでしょう。当然ながら樹の種類によってすべて異なる表情を見せてくれる樹皮。図鑑のようなコレンクション風に撮影してみても一連のテーマになってくることでしょう。作例には幹から剥がれ落ちた樹皮と落ち葉の様子をとらえたものも載せてみました。
近所の公園などでも気軽に撮影できる樹の姿。気温が暖かくなり、木々が葉を茂らせる前の今の季節、枯れ木の姿は樹をじっくりと観察するいい機会ではないでしょうか。