種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2017.02.24【Vol.310】
女の子のいる家庭で目にすることができる雛人形。近年では住宅事情などにより、七段飾りや五段、三段飾りよりも、お内裏様とお雛様一対の親王飾りと呼ばれるものの需要も増えているようです。
雛飾り全体を撮影するのはもちろんですが、やはり人形ごとに個性が見て取れる細かな作りこみにもポイントを当てて撮影してみました。すべて分業によって製作される一点ごとの部品はまさに京都の職人さんの技が光ります。それらが一つに集まり一体の人形として完成されたのが京雛の特徴ということです。写真に写る雛人形は、古くからお付き合いのある京都桂甫作 安藤人形店さんの「有職京雛」です。妻が生まれた際に購入した数十年物の中の一点である五人囃子と昨年我が家に到着した親王飾りのお雛様です
同じものは2つとしてないとも言われる人形の表情に注目して撮影したり、お雛様の着る十二単にあしらわれた文様を撮影してみてもいいでしょう。60mmや100mmまでのマクロレンズがあれば小さな人形を大きくクローズアップで狙えます。照明はストロボなどを使用せずに室内の明かりをそのまま利用するか、もしくは外光を生かすといいでしょう。光を生かして陰影をつければドラマチックな表情を作れますし、フラットな光で人形本来の表情や装束の色味を見せてもいいでしょう。また、PLフィルターを使用することで、飾りに施された「塗り」の部分(台座や置物の黒塗り)や赤い毛氈が光に反射してテカッてしまうのを抑えてみてもいいでしょう。作例はすべてPLフィルターを使って撮影しています。装束の色を派手すぎず落ち着いた印象で見せることもできます。